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2016.04.15

【芝居】「リレイヤーⅢ」タヌキ王国

2016.4.9 15:00 [CoRich]

1983年初演、1985年再演、1996年三演の鴻上尚史・第三舞台の作品を松本の劇団、タヌキ王国が上演。ワタシは第三舞台版の三演のみ見ていますが例によって記憶はザルで覚えて居ません。110分。10日までピカデリーホール。第三舞台版は10名で今作は9名に上演予定でしたが、降板があったようで8名で上演。

一度は人気絶頂になりながらも、解散状態になってしまった劇団。一人は街を出て役者になっている、一人は塾講師として働き、一人はバーのママとなっている。残った一人は他のメンバーを集めて芝居を続けている。ある日の稽古場にはその男と後輩の女しか現れていない。女は他のメンバーが来るまでの間、練習代わりに読み合わせをしないか、という。それはかつてこの劇団が解散状態になる原因となった公演「リレイヤー」の台本だった。

終演後、早々に出された地元の劇評は、誰が書いているかはわからないけれど、確かにあの第三舞台がどんどん大きくなって変化していった切実さの物語を、いま、このタイミングでこの劇団が演じる理由は欲しい気がします。

第三舞台の記録を先に読んでおけば良かったと思ったりします。インタビューにある「現実の人間は2人しか登場していない」というベースを判っていればもっとすんなり入れたかなとは思うのです。何かを演じているかもしれない、自分というマトリョーシカのような入れ子を感じる舞台の構造なのです。

正直に云えば、役のキャラクタなのか、それぞれの役が元々の第三舞台の役者が演じられるか見え隠れします。それはそれで嬉しいのだけれど。たとえば、劇団を復活させたい男1を演じた真鮒琢智の向こうには京晋佑が吊り橋のエチュードのあたりで見えたりします。あるいは塾講師として働いている男3を演じた細村匡の向こう側には大高洋夫、伝説の役者をを演じた三井淳志の向こうには小須田康人がみえたりします。

そういう意味ではかつての看板女優を演じた小池美重はもちろん長野里美なのだけれど、 男2と男3との関係の濃さと揺れ動く気持ちが細やかで印象に残ります。ドードー(という鳥の着ぐるみ)を見たかった気もするけれど、代わりのイマドキのダンスも楽しい。若い後輩を演じた曽根原史乃は西牟田恵が見えるけれど、弾ける人物をしっかりと演じて、舞台を支えるのです。

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