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2016.04.04

【芝居】「ドロボー・シティ」あひるなんちゃら

2016.3.25 19:30 [CoRich]

あひるなんちゃらの新作、70分。28日まで駅前劇場。

親友四人で泥棒を企てる女たち。アジトというか誰かの家で相談している。宝石を盗もうとしているのだ。
その家に空き巣に入った男女三人。盗るものが何もないけれど、何かは盗りたいといったり、結婚を前にして頑張って働かないとと云ってみたり。
四人の女の中には裏切り者がいる。別の男二人と組んで盗んだ宝石をかすめ盗ろうとしている。

登場人物が皆泥棒、しかも一つの部屋で交わされる三組の会話というごくごく小さな世界で語られる話。まるでお茶のみ友達のように親友の女たち四人でたくらむ宝石の強奪はどこか現実感がなくて、ふわふわとした会話。それなのに泥棒家業は後ろ暗いという感覚はあって、でもやめるという選択肢はみじんもないという常識があるんだかないんだかという絶妙のバランスがいい。 途中から登場するその中の一人の娘は二十歳になっても、もう息をするように何の構えも罪悪感もなく盗みを働くという人物の設定は衝撃的ですらありますが、もっともそれゆえに新人の役者(野村梨々子)でもちゃんと芝居で対等に渡り合えるようにもなっています。

あるいは、ちょっとふわっとしたリーダの女と、結婚を機にもっと泥棒で稼がなきゃと考える男、もうやめたらと諭す男の三人組もちょっとすごい。とりわけ、子供ができても泥棒を続けていれば、捕まって、あげくに子供はいじめられると、強烈な長台詞で突っ込む男を演じた堀靖明は凄くて爆発的に沸く客席なのです。 もう一組、どう考えてもあの刑事ドラマの二人の造型で、なぜかゆっくりと能楽のように動く二人というのもすごい。ともかくカッコをつけてゆっくりしゃべる一歩間違えればナルシストな男ふたりなんだけど、そのうち妙にかっこよく感じてしまうのです。なるほど、劇中でも女が女になる瞬間、みたいたきっかけのシーンがあったりもして、少々前時代的なフェロモンもまた楽しく。

そういえば、伊達香苗演じる裏切りの女は、フルフェイスのヘルメットもっているのに、長い丈のスカート。ほんとにバイクに乗ってるのかどうかだって怪しいし、そもそもバイクに乗るとは云ってなくて、なんかアイコンの可笑しさ。

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