【芝居】「きみがいた時間 ぼくのいく時間」キャラメルボックス
2016.3.21 12:00 [CoRich]
梶尾真治による「クロノス・ジョウンターの伝説」の舞台化の人気シリーズ、四つ目の2008年初演作の再演。130分。 大阪のあと27日までサンシャイン劇場。二本のどちらかならば、こちらがアタシは好きです。
例によって過去に見た芝居の記憶が曖昧で、毎度毎度新鮮に観られるアタシです。
たった一度、それも片道切符の時間旅行を中央に置き、そこに至るまでの男の気持ちの流れを丁寧に語る前半、過去に跳んでほぼゼロからなにもかも構築していく力強い後半。新聞をPCに全部入れておいてというのが魔法の箱で、少々とはいえ馬券を買ったり株を買ったりということは過去を変えたことにならないのかというのは、まあご愛敬。その魔法の箱に溺れない心の強さ、それが無くなってもちゃんと生きていけるというのも、立派すぎるとは思いつつ、それはしっかりとヒーローの姿なのです。
前回の自分の感想を読み直すと、場面を整理したようで、2時間越えの上演時間にもかかわらず、流れが見えなくなったりバランスが悪いと感じるようなところがなくなっています。
時を跳ぶ男を演じた阿部丈二はまっすぐさを少し寡黙な雰囲気に造形。よくあっていてきっちりと主役。その妻を演じた林貴子はここまで大人の等身大の女性の役は珍しい気がするけれど、それが実にすてきで新しい魅力なのです。 秘書を演じた前田綾はとりわけ年齢を重ねてからの声がいい。融資を受けた社長を演じた筒井俊作は出番は少ないながら、コミカルで強烈な印象を残します。とりわけ、阿部・筒井が「アパレルメーカー」と「アパレルメンチカツ」の聞き間違えでしつこく掛け合うシーンがワタシは大好きなのです。
2008.2 | 2016.3 | ||
---|---|---|---|
秋沢里志 | 上川隆也 | 阿部丈二 | 時を跳ぶ男 |
梨田絋未 | 西山繭子 | 林貴子 | 秋沢の妻となる女 |
秋沢真帆 | 岡内美喜子 | 渡邊安理 | 秋沢の妻 |
野方耕市 | 西川浩幸 | ← | 勤務先の課長 |
若月まゆみ | 温井摩耶 | 岡田さつき | 勤務先の直接の上司 |
山野辺光夫 | 阿部丈二 | 関根翔太 | 里志の同僚 |
佐藤小百合 | 渡邊安理 | 森めぐみ | 里志の同僚 |
広川圭一郎 | 筒井俊作 | ← | 真帆の勤務先の社長 |
柿沼純子 | 坂口理恵 | 前田綾 | ホテルの従業員 |
柿沼浩二 | 岡田達也 | 石原善暢 | ホテルの専務 |
柿沼栄太郎 | 左東広之 | 小多田直樹 | ホテルの従業員 |
萩原芽衣子 | 青山千洋 | 坂口理恵 | ホテルの従業員 |
栗崎健 | 三浦剛 | 毛塚陽介 | ホテルの従業員 |
12歳の絋未 | 小林千恵 | 木村玲衣 |
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