【芝居】「パラドックス・ジャーニー」あおきりみかん
2016.3.20 15:00 [CoRich]
愛知のあと20日までシアターグリーン BASE。そのあと仙台。120分。
男には別の場所に居る別の男のビジョンが見えるのだという。向こう側に居る男は、女と向き合っているようだ。女は、「パラドックスの向こう側」から来たのだという。向かい合う男は、理由も詳細もわからないまま、パラドックスを無くしたいと強く願い、進み始める。
ほとんど素舞台、舞台奥と上手下手側にポールダンス風のポール。二人ないし三人の会話を細かく続けていきます。映像では簡単な場面の切り替えですが、芝居でこれをたくさんいれて巧く作るのは大変だと思うのですが、今作はテンポがいいのに加えて、なんどか繰り返すうちに、ポールを使って、あれっと驚く転換を入れてみたりと飽きずに、しかもけっこうややこしい物語をこのスピードの中できっちり語りきるのです。 演出という意味では最後の場面もちょっとした驚き。効果的なのはわかっていてもなかなかここまでやる芝居はそうは多くはありません。
見た目だけの驚きだけではありません。序盤は素舞台に加えてパラドックスにまつわるあれこれで少々抽象的でどうなることかと思うけれど、徐々に三つの場面が重なり、それを内包するもう一つの世界が現れて、すべてがきれいに繋がるのが鮮やかなのです。
物語と演出、加えて役者がきっちりと演じきっているというのもこの舞台を強固なものにします。一人の役者のコミカルとシリアスの振り幅だったり、シリアス一辺倒になりがちなところに少しの笑いをいれたりと、バランスが絶妙でとても見やすいのです。
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