【芝居】「値千金のキャバレー」ホチキス
2016.1.30 14:00 [CoRich]
31日まで座・高円寺1。140分。
その村は神によって人々は歌を奪われていて歌うことができない。キャバレーの歌姫は神に気に入られて歌を歌い続ける。自らの命を削り、神がほかの人々から奪った歌を糧にしている。
歌姫は一度は駆け落ちをして村をでたが、夫と娘を捨てこの村に戻っている。娘は母親に跳び蹴りを食らわすべく母を捜しこの村にたどりつく。
歌姫は体力の限界を迎えていて、それでも歌を求めている神は若い頃にうり二つの娘と、歌姫の身体と心を入れ替える。
歌姫の身体の中に溜まり続けていた人々の歌を人々に返していき、若い娘の身体を手に入れた歌姫とともに人々は歌い、神に逆らおうとしている。
母と娘の物語をベースにしながらも、基本的には 歌を奪われた人々が歌を手に入れ、強大な力に立ち向かい闘うというシンプルなストーリーラインで勇ましいファンタジーミュージカルに仕上がっています 。もっとも、歌い上げるばかりではなく、J-POPあり、昭和のアイドル歌謡あり、ラップあり(あの、最後の方、男たちだけで低重心で歌い上げたアレはなんていうジャンルなんだろう)。現在の日本に住む私たちに耳なじみのある曲が多いおかげでずいぶんと聞きやすくなっています。
妖怪といい、どこか鬼太郎のような登場人物たちがいたりもするけれど、正直にいえば、借りてきたキャラクタ自体にはほとんど意味がなくて、借り物ではなくそういう人物たち、というだけで十分いける感じ。正直にいえば、少々登場人物が多い感はあるのだけれど、歌モノとなるといろんなバランスがあるので難しいところではあります。
芝居をみて検査するまでは、いわゆる芸能人登場の舞台とは思わず。さすがに、歌とか見た目にとにかく目を引くといういわゆるオーラの強さはさすが、と思うのです。それにきちんと互角に渡り合う劇団の役者たちも心強い。とりわけ看板の小玉久仁子は相変わらず圧巻で、歳を重ねた女から、若いというより子供のようだったり、終幕では「装置になる」あの歌手の風でもその馬鹿馬鹿しいキャラクタになっても役者が負けないという凄さ。片山陽加の歌の圧巻、加藤敦のしっかりと支える感じ、村上誠基は久々にコミカルな役を拝見した気もしますが、安心感。
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