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2016.02.15

【芝居】「ミルフィーユ」aibook

2016.2.6 19:00 [CoRich]

10日までOFF OFFシアター。110分。

岩手の漁村。震災で調子を悪くした妻は市街地の病院に入院していて、夫が一人この家で漁をしながら暮らしている。ここより低い家は津波にさらわれ、高台に復興住宅が造られているが、この家は津波以前のままになっている。 妻を心配して、過疎が進み医療も厳しい土地を離れるように妻の妹、夫の妹が説得に訪れるが、夫はこの土地を離れる気はない。

岩手の海沿い、震災から4年が経ち人々が次への一歩であったり結果としてこの場所を去っていくという場所を舞台、頑固にこの場所に居続ける人を描きます。

それはいつかそうなったかもしれないけれど、現実には震災が漁港で暮らす人々の生活を大きく変えたという背景に、二人ならこのままもうしばらくは暮らしていけたはずなのに、これもまた震災によってそのままでは居られなくなった夫婦の姿をメインに描く物語。言い換えれば人が暮らしていくというのはその人々が強い力で進んで行くことだけれど、天災のように圧倒的な力でねじ伏せられそうになった時にどう変化していくか、という物語。

弱ってしまって入院している妻は舞台には登場しません。その妹が主人公に対して対峙する立場で、治療のためにもこの場所を去るべきだし、せめてぼろぼろになってしまった鍋ぐらいは買い換えるべきだと主張します。理不尽なほど頑固に見えた男と、それに振り回されているようにみえた妻の間を支える、二人が共有してきた時間とモノは、男が責められても不器用な生き方を選んできたことを支えているのだ、ということがゆっくりと人々に見えてくる、というのが今作の流れ。

ダイナミックに何かが変化するというものでもなくてどちらかというと静かな流れの物語。その中で、もたい陽子、菊池美里の二人は作家も含めて同じ芝居の空気感を共有してるよう。とりわけ酔っ払いのシーンは安定していてみていて嬉しい、というのはあれですが女性の会話だからですかそうですか。

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