【芝居】「つきまとう教室」深夜ガタンゴトン
2016.1.16 14:30 [CoRich]
17日まで王子小劇場。110分。
高校の頃は文芸部で小説を書き賞を取ったりはしたけれどちょっと浮いていた男、友達は多くてまじめといわれていた女は同級生なのに接点がなかった。10年が経ち、売れないままの男は持ち込んだ出版社で編集者になっていた女と再会して恋人となっている。男は最近高校生のころの同級生たちの夢をずっと見ている。人とうまく会話できなかったり、サッカーで活躍してたり、勉強ができて生徒会だったり、アバズレっぽかったり。そういえば、高校生の時も女は同級生たちの将来がぼんやり見えるような夢を見ていたという。
何かにずっといらだっている男、同級生は外資系と聞いたりして。カウンセリングに行きストレスが原因と診断される。男はなにが不満なのか、わからない。
同級生たちがどんどんきちんとした生活をするようになっているなか、何者にもなれないままでいる自分への不安と不満。そもそも売れたいのか認められたいのか、それとは関係なく書き続けると決めたのに。 若くはないけれど、ワタシもそういう感覚を最近持ちがちなので、そのもやもやをこんな歳になっても感じ続けていることの感覚はなんとなくわかる感じもあって。 羽ばたく気があるのかどうかわからない男を見守る立場の女。自分の現実とはまったく違うのに、どちらかというとこちらの役がするりと自分の中に入ってくるように感じるのは、ほぼ唯一の見慣れた役者だからか、それとも自分の中になにかあるのか。少々戸惑う気持ちも残ります。
演じた渡邉とかげは、普通の大人の女性をしっかりと。エキセントリックでもちんちくりんでもなく、の落ち着いた雰囲気。ダメ男を見守るみたいなポジションだからか、惚れてしまいそうなほどすてきに。 脇を固める役者たちも高校の頃のスクールカーストを背景に持ちながらも時間を重ねてそれぞれに変化していたりするのもなにか味わいがあります。とりわけ、風俗嬢を演じた榊菜津美のシーンもなかなかよくて、ちょっと深い。
クライマックス、立ち位置でまったく見えなくなってしまう席に座ったワタシ。ほんの少し立ち位置がずれるだけで全然違うのに惜しい。
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