【芝居】「校舎、ナイトクルージング」ロロ
2016.1.13 19:30 [CoRich]
仕込み10分+本編60分という高校演劇の大会フォーマットに則って行うという触れ込みの「いつ高」シリーズの二回目。アタシは初見です。17日までSTスポット。
夜中の校舎に忍び込む生徒たち男女3人。写真に写った幽霊を探しに来ている。それとは別にこの校舎に居る人々。手慣れた感じで教室を廻っている女子生徒だったり。
夜中の教室、薄暗い中で始まる芝居。幽霊探しは想像の範囲だけれど、昼間は登校できないのに、夜中に教室に忍び込み、教室のあちこちに隠されたICレコーダーを聞いてその教室の出来事を残さず聞いて楽しんでいる女生徒。アイディアもさることながら、たくさんのレコーダーで一斉に再生すれば夜中の教室に昼休みが立ち上がるという感覚がおもしろい。
音を頼りにして場を想像する、というつながりかどうか、深夜ラジオに物語がつながるのも楽しく、ANN(ニッポン放送)だけでなくてJUNK(TBSラジオ)にも目を配り、普段は会うことのないリスナー同士が、同じ番組を共有するのはどこか秘密めいていて楽しい。
そこからもう一ひねり。教室ではおとなしく存在感がないままの生徒が実は自分でラジオ番組を作っていて、それを夜中の教室で聞いて葉書職人的に投稿してつながっている、おそらくは唯一のリスナーという感覚もいい。その男子生徒はなぜか何年も前に亡くなった「おばけちゃん」の初恋の人という一回りもすてき。どこか緩い「おばけちゃん」は一人にだけ見えないというのは妙に説得力があって巧い。
仕込みと本編の時間を高校演劇のフォーマットに従い、高校生の物語をするというやりかたは確かに発見なのです。もっとも、この小声だったりして細やかな物語が高校演劇大会で上演できるかというとまたちょっと違うんじゃないかとおもったりますが。
おばけちゃんを演じた北村恵はゆるくとぼけた雰囲気が可愛らしい。 夜中に居る女生徒を演じた望月綾乃は、挙動不審だけれど、気を許すとたくさん喋る造形が印象的。
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