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2016.01.01

【芝居】「MAN IN WOMAN」肯定座

2015.12.23 14:30
[CoRich]

90分。27日まで高円寺・明石スタジオ。

一軒家をシェアして住んでいる女たち。絵本作家だったり売れないモデルだったりCAだったり恋人が居たりいなかったりしている。富士山が噴火し一度は実家などに避難したものの、みな数ヶ月のうちに戻ってきてしまっている。それぞれは家事を分担しているが、買い物を分担する家主の女はぼおっとしていることが多く物忘れも増えていて周りはこの家をどうしていけばいいのか、考えはじめている。

独身である程度の年齢に達すると誰もが考えがちといえばあんまりだけれど(アタシが大好きな、ジェーン・スーにもそんなのがあるし、観劇の友達も一時期そんなこと云ってた)、同性ばかりのシェアハウス暮らし。何事かを成し遂げられそうだったり、そういう夢はまだまだ遠かったり。介護という言葉が見え隠れする老いも、シングルマザーでどう生きていくかということも、気心しれた仲間であれば乗り越えていけるかもしれない。さまざまな年代とロールモデルに目配りしながら進む物語。正直にいえば、気持ちはよくわかるしそうしたいなぁという気持ちはあるけれど、それはふわっとしたファンタジーだと思うあたしです。でも男に頼らずにしかし一人では心細いという感覚はよくわかるのです。

富士山噴火で一度は避難したけれどみんなが勝手に戻ってくるという、わりと大きな風呂敷を広げたわりに、中盤以降はほとんど物語に影響しません。正確に言えば登場人物の一人には影響しているのだけれど、かならずしもこれが理由でなくてもいいようにも思いますし、みんなの生活があまり制限されているようにも見えないし、日常生活が普通に送れているようでもあって、少々もったいない気もします。

アタシが座った位置では、テレビの画面がほぼ見えないじゃん、というのは、部屋のつくりの都合ということはわかりつつ、まあ大したことではありませんが。

この場を支えて物語を牽引したのは菊池美里の力の圧巻の安定感。ややがさつな女というポジションを演じた塩塚(ex.生方)和代はもっといけるはず。今作の驚きはアタシが今までみたことないメイクで登場した平田暁子、新しいキャラクタも見え隠れして、ちょっと嬉しい。

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