【芝居】「贋作・ウェストサイド物語 または 贋作・ローマの休日」劇団フライングステージ(gaku-GAY-kai2015)
2015.12.30 14:00 [CoRich]
年末恒例の芝居+レビューショー構成のお楽しみ企画。30日まで雑遊。休憩15分を含み200分。
靖国通りを挟んで歌舞伎町のホストと新宿二丁目のドラァグクイーンたちが対立している。ホストを辞めた男とドラアグクィーンのトップが許されない恋に落ちる。
日本を訪れている外国の王子は実はゲイだが、祖国では同性愛は厳罰であり、カミングアウトしていない。原発の売り込みをたくらむ勢力はそれを知り、その秘密を守ることと引き替えに原発の導入を進めたいと考える。
クリーンな町づくりを目指すという都知事は、ダンスコンテストで町を盛り上げることを提案し盛り上がる人々。その当日、出場できなくなったドラァグクイーンに代わって出場したのは、来日中の王子だった。
出場者の替え玉に気づいたホストたちが騒ぎ出す。
第一部 「贋作・ウェストサイド物語 または 贋作・ローマの休日〜新宿イーストサイド物語 または 2丁目の休日」
第二部
- 「ビアチカコラボ官能小説朗読」(水月モニカ)
- 「2015のジェストダンス」(西山水木)
- 「佐藤達のかみしばい〜僕の話をきいてください〜」(YouTube)(佐藤達)
- 「女優リーディング」(関根信一) 内田百閒「一本七勺」(御馳走帖)
- 「sayokoなりきりショウ リヴァイタル・クロカミ」(モイラ・ボルデリ)
- 「親孝行」(芳賀隆宏)
- 「LGBTAI〜その壁を越えて〜」(Tomone)
- 「ひとりのビッグショー」(ぶー子)
- 「今年もアタシ、第二部で何かやろうかねえ」(エスムラルダ)
新宿の歓楽街、女装男性やホストの対立という「ウエストサイドストーリー」的な街の物語をベースに、「ローマの休日」的なお姫様の話。その外側に実は同性愛者を歓迎していない保守的な為政者という描きます。ダンスも多くて、にぎやかさが楽しいけれど、政治家に対する作家の厳しい視線がきちんとあって、見た目とは裏腹に思いの外見応えのある一本になっています。その都知事を女性が演じ、熱海殺人事件風に造型したのも、いいテンションになっていて楽しくみられるのです。
第二部はもうジャンル問わずないろんな人々。アタシの観た二日目昼の回は「アイハラミホ。」や「中森夏奈子」の常連組の出演が無く、そういう意味では歌謡ショー的な賑やかさには欠ける感じではあって、お祭りな感じはややトーンダウン。その中でトリをつとめるエスムラルダの下品でしかし華やかで賑やかな感じは本当に年末だなぁと思うのです。
紙芝居は安定の一本、内田百閒はああ読んでみたいと思う一本。
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