【芝居】「お母さんが一緒」ブス会*
2015.11.29 14:30 [CoRich]
母親と温泉に旅行してきた独身、アラフォー、35歳、29歳の三姉妹。父親は置いてきたものの、文句ばかり言い続ける母親と旅行するのもみな辟易している。二部屋に分かれ、母親と次女は別の部屋に泊まることになっている。次女が企画したこの旅行だが長女は宿の選択をはじめいろいろ不満があるし、誕生日のプレゼントを用意してないことにも不満がある。そもそも自分はまじめにやってきたのに、学校も男も仕事も長くは続かない次女のわがままに不満がある。次女は理不尽な長女の責めに嫌気がさしている。今も母親と暮らしている三女は姉二人を差し置いて、幼なじみとつきあっていて、この旅行でそれをみなに伝えようと考えていて、婚約者を密かに呼んである。
誕生日のパーティは無事に終わるかに見えたが、プレゼントを渡した長女に、母親が返した一言がその逆鱗に触れる。
親との旅行の面倒くささ、久しぶりにあう姉妹たちの噂話や文句や近況報告やら。話をするために旅行をするというのは女性っぽい感じがします。姉妹たちそれぞれが抱えている家族に対するコンプレックスとか、生き方の考え方が露呈するのです。
三姉妹が浴衣に着替えるシーンはもちろん眼福なのだけれど、それぞれの年齢の下着というのがやけにリアルで楽しい。
長女は勉強もできるけれど妹たちが可愛いといわれるのに自分が言われないのが、次女は美人だし華やかだけれどなんでも長女より劣ってると言われがちなのが、コンプレックス。末っ子は可愛がられて、でも家を出たいとずっと思っていて。上の二人は独身だけれど、末っ子は結婚しようと考えていて、でも姉たちは止めたりして。緻密に組み上げられた会話を楽しむのです。もう私たちはこのまま、この家族の中で暮らしていくのだ、という安心と諦めを半々にしたような想いはチェーホフの「三人姉妹」のようでもあるのです。
次女を演じた内田慈が華やかで素敵。浴衣へ着替えてそのあと寝ころぶと、アタシの席からは太股の奥が見えてしまいそうでどきどき。 長女を演じた岩本えりは拗らせた造形が見事。末っ子を演じた望月綾乃は可愛らしく、しかし何かを考えてるのがしっかり。その婚約者を演じた加藤貴宏は、ぽわんとして気にしない男が物語の緩急をつけるのです。
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