【芝居】「ごはんとじかん」ごはん部
2015.11.21 18:00 [CoRich]
気楽なファン感謝デー的企画を劇団員だけで60分。キッチンとカウンターがある劇場を生かして、終演後には別料金の「ごはん」付き。十色庵。
立ちゆかなくなりつつある飲食店のバックヤード。店で演劇を見せて客を増やそうと画策するが、それぞれやりたことはバラバラで「ごはんと時間・古」
その劇中劇。義理の娘に恋心を抱く義父、娘は若い男に恋心を抱いているが、それは許されない。「はんばあぐの唄」
女に刺されそうになった男が見た走馬燈「ごはんのせい」
牛肉の食用が禁止されて100年。牛タンは米から作られる人造食品になっていたが、販売アルバイトの女はホンモノを食べたことがあるという「牛タン機械論」
ごはん部、店舗を出すのは無理そうだ。まあまた芝居しようとするがやりたいことはバラバラで。来年のお盆公演は9日劇場を押さえました「ごはんと時間・現」
最初と最後の「ごはん〜」は大正時代の飲食店が芝居で客を呼ぼうとし、現在の劇団が店舗を出そうと考える対象形。何がしたいこれがしたいというそれぞれ、でも一つの作品をつくりだそうという人々の気持ちをバタバタと。
「はんばあぐ〜」は大正ロマンっぽい悲恋の物語。とはいえ、どちらかというと棒読み口調だったり、まあ荒っぽい話であったりと、、あきらかに素人芝居をしている人々を演じるというメタな雰囲気を残しつつの
刺殺されそうになった男の前に現れた割烹着姿の女、ご飯を残さず食べ続けてきてくれたから現れた「ごはんの精」だけれど、男がそうしてきたのは母親の言いつけを守り続けてきたからで、目の前にいる彼女がまさにその母親であって、というちょっといい話。ごはん=米飯の意味もあるけれど、ごはん=食事一般もあるというあたりを逆手にとって、痴話喧嘩の原因とするばかばかしさもいい。
「牛タン〜」あらゆる食品が人工的に作られたものとなっている暗い未来(検索したらbleak future、って出るけれど、もうちょっと違う英語っぽい単語があったと思うのだけど探せないw)の物語だけれど、「本物」が正しいのだという気持ちもありつつ、でも結果としてはそれをどうこう言ってるこの人々だってどうなんだろう、という着地でもあって。
酒を片手にゆるゆる観るような芝居では「ごはん部」だからこそのゆるい楽しさ。リーズナブルで楽しい。役者たちに混じって次回公演で劇場を9日間も押さえてしまったといたずらっぽく笑って告知する作・演の一部を担った主宰・保坂萌の表情が可愛らしい。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「夜明けのジルバ」トローチ(2025.03.08)
- 【芝居】「ユアちゃんママとバウムクーヘン」iaku(2025.03.01)
- 【芝居】「なにもない空間」劇団チリ(2025.02.27)
- 【芝居】「Come on with the rain」ユニークポイント(2025.02.24)
- 【芝居】「メモリーがいっぱい」ラゾーナ川崎プラザソル(2025.02.12)
コメント