【芝居】「君がいた星」アンティークス
2015.11.8 15:00 [CoRich]
逃げている男は言葉をしゃべれない少女に出会い、犯罪者の厚生施設に身を寄せ日々を暮らす。犯罪を犯した過去のある自分と一緒にいてはいけないと少女を置いて去ろうとするが、いつのまにか施設に戻っている。そのうえ、施設の人々は会ったことがない、という。 再び暮らし始めるが、刑事に発見され、射殺されてしまう。 が、いつのまにか浜辺で倒れているところをみつかり、大人になっていた施設の少女と結婚し妊娠を告げられると、自分には父を殺した過去があると告白する。施設には男そっくりの別の男が、粗暴な男を連れて現れる。彼らにはたくらみがあある。
男と少女の物語としてスタートした話だけれど、言葉をしゃべらない少女が不思議な力を持ち合わせていて、その男が窮地に立たされると時空が戻り別の選択肢を進んでいく、というのが物語の骨格。単に時間が戻ったり、男を投げ飛ばしたりという語られ方はするけれど、戻ったあとが並行世界というか別の結果になっている、というあたりはSFの常套ですが、その違いを感じて生きているのかどうかも怪しく、そもそも肝心の少女がしゃべれないと言う設定にしてしまっているために何が起きているかがわかりにくい感じが勿体ない。加えて心優しいけれど犯罪者であった男に凶悪な双子の弟が居るというのももともとそういう話だったのか、あるいはこの時空跳躍によって変わった結果なのかもわかりにくく。観客からみると後付けでいろいろな事実が都合よく加えられる感じがあって、観客が頼みにする物語の足場がない不安感がどうしても抜けないのです。
刑事たちのいくつかのコミカルなシーン。物語に緩急をつけようとしたのかどうか、本筋にはほぼ関係のないコメディとしてのシーンをいくつも盛り込むのも芝居に対してはやや邪魔に感じるところもあるのも正直なところ。もっとも、それぞれのシーンは圧力が高くていい印象的だったりもするので単に切って捨てるというのも惜しいか。
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