【芝居】「親戚の話」コマイぬ
2015.10.3 14:00 [CoRich]
4日まで古民家シェアサロンasagoro。60分。 役者・芝原弘の前口上があって、東京で作った芝居を出身の宮城・石巻に届けたいという思いで始めたユニットなのだといいます。今作は初めてその宮城県内のツアー(仙台、石巻、岩沼)があります。
新婚の女。夫の従弟の結婚式に出ようと押し切って夫もかなり久しぶりに石巻を訪れる。式の翌日、実家に現れた女は夫の従妹だが、式には出ていなかったが、夫が話してくれていなかった母親のことを教えてくれる。
田舎特有の、というのはざっくりにすぎるけれど、ごく近い人が婚姻を越えて夜逃げ同然に行方がわからなくなっていたり、あるいはもうずいぶん長いこと連絡を取っていない人がいたり、あるいはまさかというところには繋がりがあって、ゆるやかに近況がわかっていたする狭くて、しかし緩やかなつながり。
新婚の妻は、自分から言い出したことだけれど、完全なアウェイで心細いけれど、それ以上に夫と幼い頃から近い従妹があまりに近くてざわざわする。夫はそれを自覚しているし、嗾ける従妹にしても自覚してやっていて。相手は結婚しているし、自分には子供を宿しているし、しかも不倫だし。どうにもならない感覚なのかなと気持ちがざわざわとするのです。
イノセントに、夫のことを清濁あわせて全部知りたいという妻。自分が傷つくことはわかっていても、それを止められない全面的な。両親がよくて、育ったでしょ、という台詞が実にいいニュアンスで気持ちが響きます。従妹は虫唾が走る、とまで妻を嫌う理由は何かの嫉妬か、あるいは父親を明確にできないのに子供を宿すというある種の焦りか。
妻を演じた片岡ちひろ、序盤の横顔が実にイノセント。しかも美人。 従妹を演じた菊池佳南はとことん明るく振る舞い、ときにコミカルでしっかりと引っ張る力。 夫を演じた芝原弘は喋らずに秘めたものの面倒くささをずっと引きずってる男を繊細に。
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