【芝居】「東京裁判」パラドックス定数
2015.10.25 15:00 [CoRich]
パラ定の人気作 (1, 2, 3)の 四演めは初めて劇場を変えて、びっくりの俳優座。年末には三演までのpit北/区域が閉館するのに伴って五演めが上演予定。25日まで。
あの狭い劇場で成立していた芝居が、この広い劇場で成立するかの不安は杞憂でした。L字型の客席で、しかも至近、あるいは二階席があるあの空間はもちろん捨てがたいけれど、この広い劇場でもあの濃密さに感じられるのは、役者の力もあるし、物語のそもそもの力があることを改めて再認識するのです。
アタシにとっては、いままでは左手に検察側、という場所に(あってるかな)ばかり座って観ていたので、今回の位置は驚きでした。客席にいるワタシたちに向かって吠えかかってくる敗戦国の(しかもありわせの)弁護士たち、という力強さが新鮮に感じるのです。
例によって配役が変わったかどうか覚えていないあたしです。三演めと同じ役者陣、もう安定という凄みすら。被告に父親が居る男を演じた植村宏司は素人ゆえに(法や裁判に詳しくない)観客に対してガイドになる重要な役をしっかり。 通訳を演じた井内勇希は表情が明るく楽しい。被爆した男を演じた今里真はワタシの席からはあまり見えないのが惜しいけれど、これはしょうがない。 とりわけ、ヤミで買わないことを貫いてきた男を演じた小野ゆたかは圧倒的な安心感だし、軍の弁護士だった男を演じた西原誠吾はどっしり、言葉の安心感。ますます年末が楽しみになってしまうのです。
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