【芝居】「ダイヤモンド」ドリームダン
2015.9.19 19:00 [CoRich]
再演らしいのですが、アタシは未見です。20日まで雑遊。
古本屋のバックヤード。期日が迫った古本市の荷造りをしている。社長は美しい妻がいるにもかかわらず若いバイトに入れあげたり、近所のスナックのママとただならなかったりしているが、表面的には穏やかな日々だが、社長の妻は浮気相手と勘違いして別のバイトを殴ってしまう。
偶然居合わせた、バイトの面接に来た四十男は勘違いされ、殴られたバイトとともに追われる身となる。
作家自身が当日パンフで書いているように、若いイキオイで押しまくる話は、際限なくあちこちに飛び、どこに着地するかさっぱりわかりません。古本屋のバックヤードの物語は夫の浮気心、疑心暗鬼にとらわれた若い妻の話をベースにした会話劇。 中盤では面談に訪れた四十男をめぐって、勘違い取り違えるあたりのコミカルなシーンが好きです。この勘違いで生まれとか名前がわかっちゃう「個人情報」が相手に伝わってしまうというあたり、なんか手品の種明かしのようで楽しい。
会話劇かと思うと、後半では、あれあれという間に至り港町でのチェイスアクションの様相を見せたかと思うと、行き別れた兄弟の話やらと、大回転かと思うと、記憶を失ったあまりモテなそうな男女が結ばれそうなラストシーン、でもその男女が互いに付けあう名前は記憶を失う前に好意を持っていた若い人妻であり、あこがれの社長であり、というのはあまりに切ない。
バイト暮らしの四十男を演じた安東桂吾、こういう巻き込まれるちょっと情けない男を演じさせるとまあ巧い。恋心を抱きながら告げられないバイトを演じた菊池美里、この布陣の中では男受けのよくなさそうな雰囲気だけれど可愛らしいと思うんだけどなぁ。疑心暗鬼にとらわれる妻を演じたもたい陽子、本当に美しく、しかも役通りにびしっとスタイルよく、人当たりも素敵で女神のよう。サイボーグという別名で呼ばれる筋肉男を演じた椎名茸ノ介は、得意技なキャラクタ。地味な事務員を演じた舘智子はい、ゆったりと癖のある口調も含めて、「らしい」感じをきっちり。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「今はやることじゃない」箱庭円舞曲(2021.01.11)
- 【芝居】「オレステスとピュラデス」KAAT神奈川芸術劇場(2021.01.10)
- 【芝居】「みてみぬふり」北口改札(2020.12.30)
- 【芝居】「プライベートジョーク」パラドックス定数(2020.12.29)
- 【芝居】「完全な密室」やみ・あがりシアター(2020.12.12)
コメント