【芝居】「嘘でしょ。」艶∞ポリス
2015.8.28 19:30 [CoRich]
30日まで駅前劇場。85分。
大型船を会場にした婚活パーティ。少し年齢が高かったり、神経質だったり、何かの企みがあったり、あるいは処女だったり、男の前の態度が豹変したり、若い友人を守り続けていたり、過去の恋愛を引きずっていたり。いまひとつ空気読めなかったり、な男女たち。スタッフも何かを企んでいる。
フリータイムも後半にさしかかり、それぞれに気になる相手にアプローチを仕掛けたりしている中、船のエンジンが大きな異音を発して止まってしまう。
作家自身が参加してみたという婚活パーティ、そこに集う人々のあれこれをぎゅっと詰め込んだ物語。男たちは高収入でそれぞれ個性的で親しみやすい人当たりだけれど実は神経質だったり難病持ちだったり、性癖に癖があったりとそれぞれの個性でお店を開いているように。フリータイムでその男たちを品定めし渡り歩く女たちはそれぞれの個性に加えて、過剰なまでに守ろうとする関係だったり、それをうざったく思っていたり、あるいは過去に男を取り合った関係だったりと横の繋がりも設定しています。
スタッフたちにしてみてもマルチまがいで高価な化粧水を売りつけようとしてみたり、でもパーティに不手際があってもその対応に誠意があるように見えなかったり。作家自身の底意地の悪い視線が物語の隅々まで行き渡ります。共通点を見つけて「嘘でしょ」と云ってみたり、男への相づちとしての「すごーい」など、女子のプロトコル、実はつかみだけではなくて、場面が変わるたびに発せられていて、場の変わるリズムを刻むのも巧い。
空回りする女を演じた井上晴賀のずれた感じが楽しい。アタシには年齢の近い女を演じた坂田周子の、年齢を重ねたどこか恥じらう感じもいい雰囲気。処女だけれどあからさまに男を誘う女を演じた佐藤友佳子はもう漫画のようなデフォルメだけれど、不思議とリアルな雰囲気にしちゃうのがすごい。 正直に云えば、作演を兼ねる岸本鮎佳のキャラクタが固定化しているのが気になりますが、ああ。あたしはこういう年代の女性の描く物語がホントに好きなのだなぁと思うのです。
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