【芝居】「草枕」シスカンパニー
2015.7.3 19:00 [CoRich]
北村想が近代文学への敬意を込めて書き下ろした戯曲を上演する、という「日本文学シアター」の第二弾、夏目漱石の同名の小説をモチーフに80分。 5日までシアタートラム。小泉今日子の出演も評判です。
まったくもって不勉強で、小説を読んでいないアタシです。青空文庫でぱらぱらと観てみても、するりと理解することを拒否するような文体でなかなか手強い。 芝居を観てから流し読んだりしてみると、全体の構成はかなりそのまま、という感じ。芸術論のような言葉もちりばめられるし、どこか小難しい言葉もそこかしこに。
ちょっと観念的だったりしてアタシには厳しくなりがちな物語ですが、要所要所で浅野和之がコミカルな役で登場するのがありがたい。茶屋の老婆は腰を目一杯曲げ、下女は塗りたくった化粧も楽しく、床屋の亭主は不穏さをたたえて感じだったりと、さまざまに役者が変わる様が楽しいのです。
戦争にまつわるアタリは、ちょっと原作とは違うだろうなと想像します。元々は日露戦争の頃の雰囲気だけれど、その頃にはまだない満州鉄道っぽい機関車が出てきて芸術や観念のなかから現実に引きずり出される感じは、どこかイマドキの私たちの感覚に近く感じられてしまうのは、ちょっと偏ったモノの見方、と言われそうですが。
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