【芝居】「いつでも君を」一の会
2015.6.28 14:00 [CoRich]
28日までワンズスタジオ。100分。
古い空き家だと思って忍び込んだ子供四人は住んでいる老人と知り合い、入り浸るようになる。ある嵐の夜、子供たちはこの家に泊まるために集まる。カレーを作って食べるのだ。 子供の親たちは連れ戻そうとする。が、嵐はますます酷くなり帰れなくなる。 老人の息子を名乗る男が現れて老人と一緒に住むように説得するが、老人は聞き入れない。
スタンド・バイ・ミーよろしく、四人の子供たちの成長を描く物語、と読みましたが、それが民家の一室といういわば密室で行われるというのがちょっと面白い。子供を子供のまま成長を認めない母親だったり、子供の成長を喜び応援する母親だったり、あるいは親からいわばネグレクト状態だったり、あるいは貧乏だったり。四人の子供たちの生活環境がバラバラなのだけれど、一緒に遊んで秘密基地を作ろう、なんてのはまあ昭和な風景ですが、それゆえどこか暖かい雰囲気を作り出しているともいえます。
子供の成長を描くものがたりに、添えられるのがこの家に住む老人と、ずいぶん昔に父親の暴力から逃げるために家を出た息子。息子はかなり成功している様子で、あきらかに大人になり成長した姿。子供たちの将来のロールモデル、ということなのかも知れません
子供はおろか同居人すら居ないあたしですから、この登場人物だれにもアタシは近しさを感じないのだけれど、それでも息子の成長を喜ぶ飲食店を営む母親のシーンに涙してしまうアタシなのは、もう年代としてそこを越えなきゃいけないという気持ちがあいまって、なのか判らないけれど、涙は出てしまうのです。
息子の成長を喜ぶ母親を演じた皆戸麻衣はちゃきちゃきと下町な雰囲気で丁寧な造形。息子の成長を認めない母親を演じた熊谷ニーナは、物語のなかではあからさまにヒールだけれど、極端にデフォルメされた造形で笑いを生み、空気を緩めます。 出て行った息子を演じた瓜生和成は、どこかすねた感じ、父親との長い時間のわだかまりの距離感、あるいはこの子供たちの勢いに巻き込まれる感じと、細やかで巧い。
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