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2015.07.03

【芝居】「冒険王」青年団

2015.6.27 15:00 [CoRich]

1996年初演作の四演め。城崎での上演から、 「新・冒険王」と交互上演で27日まで吉祥寺シアター。110分(1)このあとソウル、長野、三重、兵庫、香川のツアーも予定されています。

1980年のイスタンブール、日本人バックパッカーが長逗留する安宿。ここを出発し次の地へ向かう人、新たに来る人。旅行する大学生、妻を日本に残したまま長年放浪している男、結婚のため放浪を辞め普通の暮らしを始めることに決めた男。

96年の初演、02年の再演、08年の三演とも拝見している筈なのですが、特徴的なセットや部分的なことは覚えていても、物語の何処を面白いと思ったかは例によって覚えていないアタシです。 ウォークマンがまだ珍しく、山口百恵が話題、日本が経済成長の階段をまだ上りつつある時代を背景にしつつ、不安定なトルコや中東の時代を描きながら進む物語は、もちろん古い時代の話だけれど、不思議と物語が古くならない感覚に驚くのです。

それは人々を描く、ということかもしれません。観ているこっちだって、年齢が進んでいますから、 19年を経て、はしゃぐ大学生や旅先の恋に落ちる女子大生たち、バリバリとバックパッカーな人々よりは、結婚したのに何かから逃げるように暮らしている男だったり、あるいは結婚という形でバックパックの貧乏旅行から引退を決めた男の方に自分の視座から近しい感覚を感じるようになっています。 そうか、そういうフックの多さが魅力なのだな、と思うアタシなのです。

平田オリザが若い頃に旅をした現場からの物語。おそらくは韓国にまつわる物語を足しているのではないかと思います(戯曲が手許にないので、間違ってるかも、ですが)。「新・冒険王」に呼応するということだし、このときに光州でも起きていたこと、といえるのですが、ちょっととってつけた、と感じてしまうアタシです。

       
1996.5 2002.1 2008.11 2015.6
小杉(なんとなくいる) 山内健司 永井秀樹 小林智
高橋(寝ている人) 永井秀樹 足立誠二 反田幸平 代田正彦
 栗本(アテネの針金売り) 田中ひろし 古舘寛治 太田宏
吉岡(インド帰り(肝炎)) 秋山建一 ←/大庭裕介 秋山建一 佐藤滋
篠塚(ふらふらしている人) 大塚秀記 岩崎裕司 海津忠
大橋(これからアジアへ行く大学生) 坂本和彦 松井周 山本雅幸 伊藤毅
桜田(ヨーロッパを回っている人) 小河原康二 大竹直 森山貴邦
中村翼(中村さん) 志賀廣太郎 大塚洋 秋山健一
中村太郎(スケナカさん) 足立誠 太田宏 小林智 河村竜也
染谷(ニューヨーク帰り) 増井太郎 小林智 近藤強 石松太一
高原(染谷の婚約者) 平田陽子 申瑞季 李そじん
杉崎真理子(女性客) 山村崇子 石橋亜希子 村井まどか
宮島(女子大生) 辻美奈子 端田新菜 鄭亜美 菊池佳南
国埼(女子大生) 渡辺香奈 能島瑞穂 木引優子
栗本和子(夫をおいかけてくる) 安部聡子 能島瑞穂 富田真喜
寺田(あとから来るカップル) じょじ伊東 古屋隆太 佐藤誠
中島(あとから来るカップル) 田村みずほ 熊谷祐子 鈴木智香子
沢田(最初に出発する) 小林一博 小林洋平 桜町元 大竹直

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