【芝居】「天麩羅男と茶舞屋女/FRIENDSHIP」もじゃへら事情(もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡 × 青春事情)
2015.7.16 19:00 [CoRich]
もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡と、青春事情による二本上演の企画公演。氷川丸(wikipedia)をめぐる物語。
映画スターを乗せた氷川丸はシアトルを目指す。暗殺を画策した男に惚れた女は毒薬を胸に乗船する。好物の天ぷらを部屋に運ばせていたスターだったが、その日に限って手をづけず、厨房に戻された料理を食べたカモメのヒナが食べて死んでしまう。
「天麩羅男と茶舞屋女」(もじゃもじゃ頭とへらへらメガネ)
宇宙船、自殺を図る女を止めたのは女性乗務員だが、その後輩の男は何も出来なかった。友人は一計を案じる。「FRIENDSHIP」(青春事情)
「天麩羅〜」は(天ぷらが好きだったという)かの映画俳優と氷川丸、その彼と暗殺計画という二つの史実を一つにして、その実行犯は(卓袱屋とも書く店の)夜の女だった、という横浜の歴史の一面を組み合わせます。その失敗の後の水攻めだったり兵糧攻めというのはまあ、芝居というライブの一つの表現だとは思いますが、物語に対して効果は上げ切れていないのは惜しい。終盤は圧巻の長い台詞。それを全てそのまま既存の台詞で描いてしまうのは、それが作家の主張と同じモノだったとしても、作家自身の言葉で語って欲しいところ。
もっといえば、真面目に歴史に向き合う気持ちはわかる。マグカルの騎手という気負いもあるのでしょう。が、ネットで見えるような史実をつなぎ合わせてつくりあげた、という印象が強くて、ここまで来た作家にはもう一歩先、この枠組みでも、史実の隙間を押し広げて、そこにあるかもしれないフィクションゆえの面白さこそ狙ってほしいなぁと、勝手に期待してしまうのです。
「FRIENDSHIP」は、一人の役者を軸に、あこがれの先輩、恋の予感を匂わせる女性客、応援する友達。船長のキャラクタはわかりやすく、面白い。女性客の服の変化も楽しいけれど、対面舞台ならば、女性客の向きをシーンによって変えてもいいんじゃないかな、と思います。 真面目に仕事していれば見てくれている人も喜んでくれる人も居る、というメッセージはびっくりするほど無垢で真っ直ぐなのです。正直にいえば、気恥ずかしいほど真っ直ぐであって、もう一ひねり欲しいなぁ、オジサンとしては。
両方に船長役で出演する緑慎一郎はコミカルが似合うのと、ロボットという設定で呼ばれると「ハイ、船長です!」とポーズを取るという小ネタの面白さで青春事情での役がよくあいます。
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