【芝居】「空中キャバレー2015」まつもと市民芸術館
2015.7.19 14:00 [CoRich]
歌舞伎と交互の隔年開催の三回目 (1, 2)。 胸を張って松本で制作・上演される演劇の最高峰とアタシは薦めちゃう180分(休憩15分の間もあちこちで出し物があります)。初演の4000円から5500円(U25 2500、中学生以下1000)に上がってるけれど満足な一本。26日まで、まつもと市民芸術館特設ステージ(搬入口が入場口になります)。
空中ブランコ乗りの娘に恋をした兵士は縄ばしごを上へ上へ。怪力オクタゴンは恋をして娘を娶るが悲劇が起こる 。蝶が鼻に止まった男たち、逃がさぬようにそろりと歩き。砂漠のサボテンは海を観に行こうと思い立つ。スキーを履いた二人の男は詐欺師で純朴を騙し、逃げているが、一軒の民家で誰かを待ち続けている老女に出会う。そして、さまざまな大道芸、サーカス。
いままであったトロンボーンサックス吹きの話はなくなり(ご指摘感謝)、いくつかの物語を加えて、新たな成長を予感させます。祝祭感はそのままで、短い物語を過剰なほど大量にいれることで、さまざまな夢をみているよう。空中ブランコはこの公演の骨格でもあり一番の呼び物でもあり、安定の圧巻。オクタゴンは片岡正二郎による劇中歌、圧巻の歌声、「才能は放棄できない」ゆえの悲劇。蝶の男たち、三人そろってずんちゃっちゃと横歩きの楽しさ、鼻に止まった蝶を大事にそうっとしておきたいという男のポエトリな時間、そこに捕虫網を持って追いかける女の子の奔放さ。サボテンはロードムービー風の旅、ヒッチハイク、海辺の街の歌声。二人の男の話はピノキオを騙したキツネと猫、あるいは老女がまっているのは孫娘か狼という物語の脇役が、物語には相手役が必要だ、物語がなくなればこの世がなくなるかもしれない、という話と読みました。楽曲やリズムを中心とした祝祭感はいままでよりもパワーアップした気がします。
楽曲はcobaのアコーディオン(この日が出演初日)、「ア・ラ・カルト」の名残も惜しい高泉淳子が松本へ登場が嬉しく、十八番なでたらめ風味なジャズ、秋本奈緒美の歌声。サーカスは核となる空中ブランコ、フラフープ、二人の女性によるアクロバティックに乗ったり乗られたり、自転車の曲乗りというにはあまりにアクロバティック。サーカスのコーディネータを務めるジュロは大怪我をして、空中での芸は今回できないのは惜しいけれど、それでもフラフープをきっちりこなします。ジェームス・ヨギの自転車芸もちょっと凄い。
マルシェはさまざまな物販。cobaによるバーのアルコール、休憩時間にちょっと話が出来たりして嬉しい。 願わくば、マルシェの食品販売が劇場付属のレストラン独占じゃないバリエーションがあると嬉しいのだけれど。まあ大人の事情でしょうが、懐が浅い。
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コメント
お世話様でした。って挨拶ぐらいしかしてませんが(^^
無くなったのはトロンボーン吹ではなくてサックス吹の「思い出を売る男」ではないですかね。
オクタゴンの花売り娘(年増)と思い出を売る男の花売り娘(少女)が妙にリンクしているちころが好きだったのですが。
因みに前回サックス吹きをやった石丸幹二さんは劇団四季での主役デビュー作品が「思い出を売る男」だったという小ネタ薀蓄でした。であであ。
投稿: ダッチ | 2015.07.27 11:52
ああ、失礼しました。こっそり訂正します。 しかし、2週連続でとは、さすがでした。再来年はぜひ泊まりで(笑)
投稿: かわひら | 2015.07.29 00:26