【芝居】「七人のふたり」クロムモリブデン
2015.5.24 19:00 [CoRich]
6月2日までRED/THEATER。95分。
ヒマでしょうがない高校生、使われてない部室を見つけ、ヒマな教師を顧問に引き込んで何かの部活を始めようとするときに現れた男は元は演劇部だったが閉じこめられ死に至った動画の再生回数が一番になっていて、それを上回る再生回数の動画を作ってほしいのだという。
それを承諾した高校生は、人の興味を引くため、人が殺されるところを撮ろうとヤクザの事務所に乗り込む。警官たちは拳銃をおもちゃにし、外科医は手術を動画にして人気を競おうとしていきエスカレートして。
暇を埋めるための動画投稿だけれど、再生回数という承認欲求はどんどんエスカレートしていき、インモラルでも何でも過激ならば面白いという昨今。いわゆる生主だったり、ドローンだったりでより過激に走る今どきの雰囲気そのまま。一方で、いじめられたのか、過去に演劇部の部員だったらしいなぞめいた存在の男がの怨念がまるで人々を操るかのように、くるくると人々を回していきます。
暇だから日陰な演劇部でも、それを動画投稿で埋めていったり、プロが助っ人に来ようとしたり(でも阻まれるのだけれど)というのは、どことなく暗黒風味な「幕があがる」と感じてしまったアタシです。もちろんそういう芝居ではありませんが。
客演多めで人数が増えてもクロムの雰囲気はしっかりと。テンポが徐々に上がり、人々の出来事がするすると編み上がっていく感じは楽しい。人数が居るがゆえに、クローンたちが暴れ回るシーンは迫力があります。反面、確かに客演の若い役者たちもきっちりクロムな感じではあっても、正直にいえば濃厚さという点では少々薄めで、普段この劇団の俳優たちがどれだけの精度で芝居を組み上げているのか、ということを思い知るのです。普段のこの劇団の役者中心で7割ぐらいの人数でやってみたら、と夢想してしまうのです。
怪しい男を演じた小林タクシーは、夢に出てきそうなインパクト。巻き込まれがちな女を演じたゆにばは、翻訳口調の外人キャラが楽しい。 土下座を強要する男を演じた小林義典は、物語にからむというよりは、要所要所のワンポイントでテンポに弾みをつけます。 元アイドルの女を演じた土井玲奈は、普通に可愛らしく、説得力があります。
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