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2015.06.08

【芝居】「リチャード・ロウは旅に出た」劇団山麓線

2015.5.30 19:30 [CoRich]

さまざまな劇団からの客演で構成する公演の旗揚げ。 31日までピカデリーホール。95分。

その街は演劇が盛んだった。作家や作品は評議会と呼ばれる面々を頂点にした人々による厳しい批評にさらされながらも、そこで成功すれば名声が得られるものの、酷評となれば復活は難しい。
書けずに行き詰まっていたところに現れた現れた男に渡された薬を飲んだ作家は見違えるように書けるようになり、次々と傑作を創り出すようになる。

世にも不思議な、ミステリー仕立ての一本だけれど、笑いも織り交ぜていてこの間聞いたばかりの落語・「死神」(wikipedia)っぽくも感じる枠組み。ナイロンぽい、という感じもします。 演劇が盛んで評議会まで存在している「演劇狂の街」という設定。誰もが演劇のことを知っていて、それで生死が決まるほど、という極端な設定。芝居がマイナーだという前提で逆張りした設定なのかとも思いますが、むしろ劇作家を題材にしないほうが、こういう芝居の場合は身の周りだけで書いてるように見えなくていいんじゃないかと思ったりもしますが、まあそれほど大きな問題ではありません。

苦しむ中、ふとしたことで「悪魔」から手に入れた能力でのし上がる男。が、もっと強い力がほしくて禁忌禁忌を破ってしまい手痛いしっぺ返しを食らうこと、という大きな枠組みは、じっさいのところすごく突飛というわけではなくて、手堅くしっかりとした物語。 くるりと世界が、あるいは人物が入れ替わる終幕を大きくしつらえた窓に消えていき、あまり長く引っ張らずにすとんと落とすような見せ方も も含め、スタイリッシュで印象に残るのです。

終演後に調べてみれば「リチャード・ロウ」は被告を表す仮想的な名前、つまり匿名のだれか、という名前でああ、そうか、そこに居る作家が、あるいはそこにいる誰かは、本当にその人なのか、という余韻を残すのもかっこいい。

今作の魅力は、それをしっかりと支える役者たちにあるのではないかと思うのです。 とりわけ、 なぞめいた男を演じたウィリィが圧倒的な存在感。声も独特で印象的。劇作家の男を演じたそうめいは真面目さと、時折虚勢を張るような感じが身の丈に合わず売れてしまった作家、という造形によくあっています。

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