【芝居】「ちょぼくれ花咲男」文月堂
2015.6.13 14:00 [CoRich]
2011年初演作の再演。 14日まで座・高円寺1。
130分に目一杯詰め込まれた物語は サンモールスタジオだった初演から座・高円寺1へ。広い舞台を手に入れおそらくは人数も増やしたことで、にぎわう町角の雰囲気、さらにはダイナミックな軽業もどきな芸も足して見た目にも豪華に。 商業演劇にそのまま持って行けそう、というのは初演の時に聞かれた感想だけれど、それは今作でボリュームアップしても変わらない印象なのです。
相変わらず記憶が怪しいアタシですが、物語の骨格は変わってないよう。それでもワタシの印象では花咲男の造形がずいぶん変わっています。初演の牧野耕治はひたすら腰が低くて誰にでも人なつっこい男だった印象なのだけれど、本作では、野心を持ち何かを企んでいるようないっぽう、弟を守ろうという想い、あるいは恋仲だった女を想いながらも距離をとる感じの表向きにはクールで内面が熱い感じにも。それは演じた中野英樹のもつキャラクタによるところが大きい気がします。
弟を演じた椎名茸ノ介は軽業で芸人だという説得力、ちょっとクールにみせてしかしまっすぐに恋もかっこいい。 あるいは夜の女を演じた四條久美子は色っぽさ、かわいらしさ。医者を演じた石塚義髙の真っ直ぐさ。 芸人の一人を演じた山口雅義が実にいいのです。力のあるものに従順な裏表、あるいは女一般を憎んでいて娘すら男として育てようとしていたねじれたキャラクタをベースにしながらも、芸人らしく声が大きく一癖もふた癖もある造形。娘を演じた岩見美映の、素朴な男の子っぽさも実は可愛らしい。
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