【芝居】「ゆうれいを踏んだ」突劇金魚
2015.4.25 15:00 [CoRich]
29日までアゴラ劇場。 95分。
祖母に育てられた女、銀行への就職も決まり祖母は自慢で喜んでいたが、その矢先女の頭に桜の木が生える。墓地で幽霊を踏んでしまったからだという。花見が好きだった父はクビを吊って死んでいる。家を追い出され親戚を頼ったり、興味をもって追いかけてくる男が居る。工場でパートして演劇をしている女友達。男と住んでいる。
墓場に行ったら頭に木が生えたのは幽霊を踏んだから、という序盤。ロードムービーよろしく冒険のようにあれこれの人々に会い、別れ、何かを経験し、知り合いも成長し、あるいはやっかまれ、結婚を申し込まれ、というさまざまな関係を並べて物語を構成します。文字通りの語りを見ている限りはそれぞれがあまりにバラバラで、どう観ていいか迷ったりするワタシです。
あとから思い返してみれば、いくつかの女性の役に別れてはいるけれど一人の女性の人生の点描だと思い至るのです。親の期待を裏切ってしまったこと、あるいは自分を可愛がってくれる兄を頼りにする気持ち、気持ち悪いと思う気持ち。唐突にすぎる「木が頭に生える」というのは女の子が成長して、色気づくというか女になる瞬間に母親との関係が変化していく、という象徴に思えるのです。枝が折られることは何かの経験であり、それを知った父親は激怒するし、根から掘り返され頭から木が無くなった女は、ある意味「サカリ」を過ぎて男との静かな暮らしを過ごすことに決める、と思えてならないのだけれど、アタシの妄想と思い込みですかね。
終幕、結婚を申し込まれた女はそれを断るけれど、二人は暮らし続けて、向かい合ってゴハンを食べるのです。女性の若いときは冒険の数々だけれど、それを過ぎると穏やかに暮らす日々になる、素敵な幕切れでアタシはいいなぁと思うのです。
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