【芝居】「俺達なりの、旅。」グラウンド02
2015.4.29 17:30 [CoRich]
105分。29日までOFF OFFシアター。チラシの印象のロードムービーとはずいぶんと違って、葬式を巡る人々の「時間の旅」の物語になっています。
高校の頃学校近くの公園に溜まっていた同級生たち、そのうちの一人が亡くなり久しぶりに葬儀に集まった。男女の一組は結婚し、男の一人は近く子供が産まれ、その幼なじみで仲違いしている男は独り身。モテていたはずの女も独り身だった。亡くなった女には婚約者が居たはずだが、その姿を見かけなかった。
あの娘が好きなんだけれど、ちょっと近づきがたく壁を感じて近づけず、もう少し手近のというかもっと気さくで自分に近づいて来てくれる女とつき合う感覚。想いを貫徹するほうがかっこいいのだろうけれど、恋人がいるという状態への最短距離を選んでしまう感覚。この歳になってもそれが腑に落ちちゃうアタシの感覚はどうなんだと思わなくもないですが。
ほぼ喪服の人々の間にあって、自殺した女は唯一制服。他の人々にとって会っていないまま死んでしまった彼女はあの時のこの格好のままで時間が止まっている雰囲気が良くでています。
役者はみな魅力的、子供から大人に変わる頃、子供っぽさだったり恋に恋する感じ、あるいはもういい歳の大人になっているけれど、あのころの仲間に再会すれば、一瞬であの頃の感じに戻れること。姿形はもう大人どころかおじさんおばさんになっているその格好のままだけれど、無理に着替えたりせずにそのまま子供の頃のシーンも演じるのは演劇の嘘だけれど、大人でもすっと子供に戻る感じを表しているようでもあります。
大人のほろ苦いしっかりとした物語ではあるのだけれど、松本哲也という作家に対するアタシのハードルはもっと高かったりして、正直に云えばどこか薄味に感じるのは、普段の作品でみせる宮崎弁を封印しているから、ということばかりのせいではないと思います。
公園のホームレス風の男を演じた松本哲也は、こういう感じの「自由人」が実に似合ってちょっとかっこよくすらあります。結婚している元ロック少年を演じた鈴木理学は、みてくれの出落ち感もあるけれど、そういう慌てる感じも雰囲気がよくでています。その妻を演じた頼経明子は、女扱いされない女、みたいな雰囲気の高校時代ではコミカルに造型してしっかりと物語を回し、後半では物語の要所を押さえる説得力を担います。 商業科だった女を演じた川田希、美人で積極的な女の造型が魅力的。自殺した女を演じた蓮菜貴子はどこかコミュニケーションを拒むような気高さを感じさせる造型の説得力。
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