【芝居】「視曲線」(Bプログラム)
2015.4.18 17:00
渡辺詩子のドローイング展示と演劇を組み合わせた企画公演。 19日までライオンビルでAプログラムと交互上演。3Fと1Fの移動を挟みながらの二作品、80分。
結婚式のパーティ。人の来ない階上の一部屋。女は受け取ったブーケを投げつける。と、階段からもう一人、若い女が壁を殴っている。最初の女は自分と同じように新郎の元恋人だと思って話しかける。「あなたに花束」
男が女を待っている。現れた女はこの間の誕生日の予定が男に突然入った仕事の予定でふいになったのに怒っている。謝るだけでは許さないという女だが、男の企みに女は喜ぶ。「オブジェ」
浅草、古い味わいのあるビル。どこか冷たいような、でも歴史を感じさせる場所。1Fではケータリングでのフード・ドリンクの提供もあって楽しい。
「あなたに〜」は黒いパーティドレス姿の二人の女。一人は新郎の元恋人で同僚だった新婦に恋人を奪われた恨み。少々わかりにくいのは、後から現れるもう一人の女の立場で、新婦とのルームシェアメイトということは語られても、壁を殴るほどの激昂の理由が明確には語られません。アタシは新郎の元恋人なのではなく、新婦との元恋人という構図なのだろうなと思ったけれど、それを確実に裏付ける台詞がないことに肩すかしな感じ。作家の視線は、その少々スキャンダラスな構図よりも、二人の女の中に燃えたぎる、あるいは炭火のようにくすぶり続ける想いそのものを描くことがポイントなのだろうな、と思うのです。
「オブジェ」は可愛いけれどワガママで(少なくとも今の)自分には価値があると判っている若い女がオブジェというモノに見えてしまう瞬間を切り取る鋭さ。ライブペインティングで うまく取り込んだなと思うのです。ちょっと手間取る感じはあるし、その過程自体が物語を運ぶわけではないので、難しいところではあるのですが、その意図はよくわかるのです。 あるいは、おそらくは他の女になびいてしまう男を終幕に描いていてほろ苦いというかちょっとビターな感じ、男の小ずるさが意地悪に描かれていて、作家のいたずらっぽい目が笑っているよう。
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