【芝居】「恋と蛍光灯とヤング」ハイブリットハイジ座
2014.2.27 19:30 [CoRich]
1日までSTスポット。100分。
一部ではカルトな人気を得ていた映画監督だったが、12年も作品を発表していない。若い頃にその映画をみてファンとなった男は父親の喫茶店でアルバイトしており、その映画監督がアルバイトに入ってきて、まだ映画をあきらめておらず、脚本を書きためていることを知り、親しく話すようになる。 ファンの男もまた自主映画を撮るようになっており、後輩とともにロケに出ることにする。難航していた女優も探すことができたが、ギャラが出ないことや自主映画をどこか下にみているが、結局は使うことにする。 抜けるアルバイトの代わりに新しいアルバイトがやってくる。女優だというが、アルバイトのためのサンドイッチの作り方を覚える気があるかも怪しい。金に困っていて、映画監督の男から借りようとするが、断られそうになり服を脱いだところに映画監督の彼女がやってきてしまう。
友人によれば、これまではもっと高いテンションの芝居のようだけれど、今作はがらりと変わりSTスポットには何かレギュレーションでもあるのではないかとおもわれるような不条理感めいっぱいの静かな会話劇に。監督は精一杯の虚勢を張って、撮ろうという努力(といっても彼女の父親に借りるという手段で)はしてはいるのだけれど、もう抜け殻となってしまっておそらくは新作は撮れなくなっているのではないかという絶望感。それなのに世界は彼にやさしくしてくれないというよりは、半笑いで馬鹿にされるし、金を貸してほしいと云われた女と懇ろになる寸前でその恋人にみつかって、壊したモノの濡れ衣まで。 こういうオジサンをみると過剰に自分を投影してしまうアタシです。演じた熊野善啓は見事なほどにコミカルで悲哀がある「オジサン」をしっかりと。
不条理に責め立ててくる「世界」を背負う二人も凄い。金がないから貸してくれ、と男を色仕掛けで誘いこむ女を演じた本間玲音、都合のいいことしかきかない、マイペース一辺倒でそのくせ弁が立つという造型で観ているアタシも苛つかされる凄さ。ブラ姿という脱ぎっぷりも嬉しいアタシですが、序盤でちらと見えるパンツは黒なのに、ブラは白なのは、こういうキャラクタの女性としてはそれで造型としてただしいのかどうなのか、はまあどうでもいいか。女優の卵を演じた南美櫻もまた一人前にギャラを強気一辺倒で要求するあたりも、小さな映画でくすぶってるのをあっさり一刀両断してしまうところもまあ苛つかされるみごとさ。
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