【芝居】「パスファインダー」キャラメルボックス
2015.3.21 13:00 [CoRich]
キャラメルボックスの人気シリーズ、クロノスジョウンターをめぐる物語はの6つめの新作は初めて成井豊のオリジナルの物語に。本編115分、恒例の撮影タイムは中盤に挟まる印象的なダンスシーン、もうひとつ、オリジナルの「クロノス」の予告編を加えて全体で135分。サンシャイン劇場の21日公演が千秋楽。
研究者の男、もういい年齢にはなっているが仕事でこれといった成果を出してはいない。ある日、人事に呼び出され新たな研究室への異動を打診される。その研究室は秘密裏に続けてきた時間遡航には成功したものの、致命的な欠陥の改良の目処がたたないままの開発を続けてきた。
男に課せられたのは、その機械に乗って記録を残すことだった。男は死んだ兄に自分が研究者になったことを報告する希望を叶える。
兄に会うことはできたが、同時に記憶を失ったと云う少女にも出会う。
時間を遡る一つの機械を巡るいくつかの短編を経て作られた新作は、これまでの上演の隙間を埋めたり、あるいはキャラメル自身の上演の記録(1992年「また逢おうと竜馬はいった」初演 (四演))、あるいは役者たちの生き様の断片を組み合わせてつくりあげています。 92年の調布、というとアタシが調布の学校をでて就職した年、同じときに聖蹟桜ヶ丘アウラホールで(アタシが未見の)キャラメルボックスが上演した、ということにアタシには気持ちがシンクロします。
同時上演の「クロノス」は一作めのせいかシンプルにこの物語世界のルールを説明していましたが、それに比べると登場人物が少ない割に奥行きのある物語だと感じます。出会いたい一人だけではなく、その周囲の人々、その時代に出会った人のことなどが幾重にも重なるのです。なにより、これまでは一人で時間を行き来する孤独が先立つ雰囲気のシリーズに比べると、時間を超えて追いかけてくる人だったり、終幕が二人で旅立つ雰囲気なのは新しく感じます。
旅立つ二人を見送る兄を演じた客演・陳内将を目当てという観客も多そう。若いながら兄という微妙なポジションが巧い。兄の恋人を演じた渡邉安理が、かきまわし、可愛らしく、大人にもなって。しっかりと時間の流れを。 出身地など、主役のモデルにもなっている岡田達也は圧倒的な安定。コミカルもシリアルもこなす力が確かで凄い。その恋人を演じた岡内美喜子は美人かつ可愛らしく、きっちりとヒロイン。
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