【芝居】「走るおじさん」あひるなんちゃら
2015.3.7 19:00 [CoRich]
9日まで駅前劇場。70分。MP3音声の販売を毎度買ってしまうけれど、ワタシの観た回は何人も同じ人が居て嬉しくなっちゃうあたしです。500円。
公園。走っているおじさん。妹や弟は呼び出されて気乗りしないけれどつき合ってタイムを測ったり測らなかったりしている。それを少し離れてベンチから眺めている男女3人は仕事をさぼってるような気分転換してるような。おじさんには娘が居て、友達も訪ねてきて。
駅前劇場の客席まで人工芝を敷き詰め、公園のいくつかの場所のすぐ近くで観ているような感覚。 地味に見えてるけれど、この敷き詰め、そうとうにお金もかかりそう。このやり方は成功していて、客席後方からの出捌けは、この劇団の上演ではダイナミックな新鮮な感覚があります。ものすごく精度が高いのに、ゆるゆるな会話劇に見える芝居を外れなく作り続ける確かなちからなのはいつものとおり。 いつものあひる節目一杯。かみ合うようなかみ合わないような会話が心地いいのだけれど、それを言葉で説明しづらいのがすごく歯がゆいのです。
何のためにおじさん、働きもしないで兄弟や娘まで巻き込んで公園でのどかに走るのか。なにを目指しているかも判らないという空虚。娘はぶん殴ってやろうかと考えていてというのが物語の軸だけれど、描いているのは物語と云うよりは関係とか雰囲気だということを再確認。同じ公園に居る男女三人、何か「クリエイティブ」に近い仕事っぽいけれど、バンドだと思われてるよね、とか、おじさんには石をぶつけて追いかけられてアイスおごってもらえるとか、ボケまくる女二人、 劇団員の篠本美帆の安定はもちろん、初登場の志水衿子も違和感なくぶっ飛んでぼけまくります。わりとシリアスな少年、みたいな役の印象が強いあたしなのだけれど、きっちり。 ひとりで一身に背負って突っ込みまくる男は堀靖明が演じていて、この三人の会話、この部分だけ取り出しても一本のコントになりそうな楽しさ。
ストップウオッチの一秒ゲーム、劇中でも言及される「なにもない表情」というのがちょっといい。パンダの物真似、という例えももむちゃくちゃだけれど、納得してしまうあたしです。どこがどうすごいのか言葉にできないのがもどかしいけれど、強烈な印象。演じた石澤美和はなにをどうしたらこういう表情ができるのだか、どうやって引き出したのだか。
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