【芝居】「土に寝ころぶ女たち」タテヨコ企画
2015.3.8 15:00 [CoRich]
8日まで雑遊。105分。
週末だけ農業に訪れて採れた野菜を分ける会。雪も降っている寒い季節、近くの寺の修行僧が手伝いに来ている。夫婦が多いけれど、乗り気じゃない夫も多く、妻だけというところも多い。この農業の会を取り仕切る男にまつわる怪文書が出回る。立ち上げメンバーの夫もその男に対して急に批判的な態度を取り始めている。
週末だけ、しかし長い期間にわたって一緒の時間を過ごす人々。住んでいるわけではないので、自然に消えていく人も居てその関わり方はさまざまに。安全でおいしい野菜みたいな考えかたをする人々という意味である種の意識の高さみたいなバイアスがかかっている人々ともいえるけれど、それは夫婦の意識がそろっていることもあるし、二人のバイアスのかかり具合に差があるということもある、というのがこの設定の絶妙さなのです。
この週末農業のグループの先生ともいうべき還暦の男じたいはストーブを持ってくるといわれ続けているのだけれど、ついに舞台には現れません。この土地の元々の人々とは隔絶した存在だということ、妻を亡くし娘がいることを背景にしつつ、彼をめぐる怪文書が出回っていたり、グループのメンバーの中に反抗する人が居たり。それはこの家に週末以外にも通っているメンバーの主婦が居るということがこの物語の核になっています。
タテヨコ企画の物語でよく語られる修行僧たち。まだ修行中で、学生のようなキャッキャとした雰囲気だけれど、隔絶した存在であるこのサークルの中で、知り合いではあるけれどそれほど近いわけではない存在、話を聞く人としての存在として現れます。
一つの共同体。その立ち上げメンバー二人の片方が不本意ながら明確に離脱することを表明する幕切れ。来年の次回作からは「新体制」になると謳うこの劇団の姿が重なるのです。
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