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2015.03.13

【芝居】「セイムタイム・ネクストイヤー」

2015.3.7 15:00

バーナード・スレイドの原作を大西一郎の演出で。 8日まで鶴川の古民家・可喜庵。140分。

1951年、ホテルの一室。会計士として毎年訪れる地で、一夜を伴にした女と迎えた朝。それぞれの配偶者を裏切った気持ちはあるけれど、何でも話せて嬉しいきもちは離れがたい。家族の写真を見せ合ったりしながら約束をする。
それから毎年一度だけの逢瀬を続けて5周年。女は本を読むようになり、男は引っ越し娘への罪悪感。10年後には女は妊娠していて、男はEDに悩む。14年後は女は大学に進みヒッピーのムーブメントにかぶれてていて、19年後、女は社長になり成功していて離婚を考えていて、男は精神科の勉強を始めている。24年後、男は妻を亡くしていて、プロポーズする。

ずいぶん前に加藤健一事務所の公演で観た気はしますが、ずいぶんと時間が経っています。それぞれにパートナーがありつつも、毎年の逢瀬を繰り返していく、という男女の不倫な性愛を核に観ていた若い頃だったのだけれど今作を観たアタシの印象はずいぶん異なります。男は木訥だけれどマッチョだった序盤から、EDという悩みを抱え、あるいは若く新しい考え方を強く排除しようとしたり、精神的な分析に没頭したり優しげだったりという男、あるいはヒッピームーブメントにかぶれて反体制だったり、実業家として成功したり、整形をしてみたりという女。アメリカという国の、あるいは男と女の社会的な位置づけの変化を早送りで、という社会派な一面の方を強く感じる一本になっています。

小さな古民家の一室にベッド、ソファ。いわゆる洋モノですが、どこかのホテルのコテージという雰囲気で不思議なほど違和感はありません。 客席はぎゅっと超満員。この環境にしてはわりと長尺な一本だけれど、それでも飽きることなく観られるのです。

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