【芝居】「The Wonderful World ~サヨナラ愛しき世界~」ネオゼネレイター・プロジェクト
2014.11.9 14:00 [CoRich]
11日まで小劇場B1。130分。
大きな災害と事故に見舞われ、さらに化け物が跋扈するようになり、人類は危機を迎えていた。ラジオから聞こえた「人類最後の希望」を目指して、あちこちから決死の想いで廃墟と化したビルに集まる女たちは、果たしてその機械の前にたどり着いた。
機械の前にはケーブルで繋がれ紙袋を頭にかぶせられた男が居るが動く気配が無い。何人かが武器を取りに行ったあいだに、突然大音響が鳴り響き、機械に繋がれていた男が白衣を着て現れ、その父親だという男も姿を見せる。父親が発明し息子が実用化したこの機械は、人の記憶に眠る恐怖を取り出し実体化する機械なのだという。現にこの父を名乗る男も、息子の記憶が実体化したものだという。
SFを読む人々は減っている、といわれながらの25周年、B級SFテイストをたっぷりに。滅びかけている世界、たった一つの希望の地、跋扈する怪物たち、恐怖や記憶を実体化するという機械。それによって実体化した亡くなったはずの父親。あるいは子供をクリーンルームのよろしく隔離し研究に専念させるが、この世の中がどうなるかなんてのは知ったことじゃない、という感じ。宇宙大作戦風の物語を、サイバーパンク的なテイストで描いているのは、さすがにSF好きな作家の一本に。なんせセットがカッコよくて、汚しもいいし、ドアがそれっぽく開くのもいい。
ヘルプボタンを押すと、同名の曲が流れる、ってのがなんかやたらに好きなアタシです。本編ではちゃんとヘルプというか、解説してくれるオジサン(つまり父親だけれど)が現れるけれど、この曲だけで終わっても凄く楽しいなと思ってしまいます。
もっとも、物語に対して少々人数が多すぎないかとか、どこか緩さをそのままにしてしまっているようなところがあるのは惜しいといえば惜しい。緩いならもっと緩くてもいいし、なまじハードSF的な設定や材料がそろっているだけに、きっちり決めたらそれはそれでキマると思うのですが、どうだろう。
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