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2014.11.06

【芝居】「だいすき3つごちゃん。」なかないで、毒きのこちゃん

2014.11.1 17:00 [CoRich]

3日まで。南阿佐ヶ谷駅出口1で待ち合わせて。町中をおさんぽ、という触れ込みの公演で、各回3人限定。実質20分ですが、駅から上演開始場所までの往復があるので、全体では40分ほど。

男と待ち合わせる女。大切な話があるのに男は遅れてきて対して悪びれるでもない。怒った女はずんずんと歩き始めるが男は手を握り引き留めようとする。が、女はずんずんと歩く。

お散歩、という体裁でゆるい感じで住宅地をそぞろ歩き。お金持ちの家、とか無邪気な解説交えつつ、突然M0(開演直前のトラック)だといってiPhoneで音を鳴らしつつそぞろ歩き。大丈夫だろうか住宅地で、と思ってついていきます。南阿佐ヶ谷駅から数分の場所が上演開始場所で、工事中らしく白く高い壁で覆われています。(阿佐ヶ谷住宅跡地の再開発中なのだと云います。いまならストリートビューで工事前の様子が見えます)。ここで観客の三人は壁を背にして横一列に並んで手を繋ぐように指示され(嫌だったら手袋もある、という指示が面白い)、その片側に女優が並んで手を繋いで開演。俳優が遅れてきたというところから物語が始まります。

遅れてきて女が怒って、ずんずん歩き、走り。男が女の手をとってひきとめる、という芝居なのだけれど、今作ではその間に三人の観客が挟まっていて、ぐいぐい手を引っ張られ歩いたり走ったり。子供の頃なら、あるいはデートで手でもつなごいでぐいぐい、あるいは子供が居るならいざ知らず、なかなか最近では体験しない、手を繋いで走る体験。たった二人のいわば痴話喧嘩なんだけれど、それを間近で聞いている、彼らと同じ空間を移動し、時間を共有してというのは、いわゆる観客参加とは違って、あくまでも観客という立場のまま、このミニマムな会話を濃密に楽しむのです。終盤歩き廻るのは善福寺川に沿った緑地というか公演。手を繋いだ大人5人が大声で痴話喧嘩の応酬というのはそうとうにシュールですが、それも含めての楽しさなのかなと思います。

子供ができた、でも男はアルバイトだというのはよくある展開だけれど、実はお腹に居るのは三つ子らしくて、というのが観客を三人に絞った理由だとわかるとうならせられるのです。お腹を触った男は、観客三人の頭の上に手を軽く触れ、ああ、私たちはそのお腹の子供の視点で若き日の母親と父親の会話を聞いていたのだという構成が見事。とりわけ、終幕で背中を向けて遠くに歩いていく父親はすぐあとに交通事故で死んでしまうというのも物語としては見事で、父の最後の姿(あるいは声)を母と(三つ子の)四人で見送ったのだ、という記憶の共有のよう。

女を演じた背乃じゅん、拗ねたような表情の巧い役者ですが、役柄によくあっていてしかもおもいのほかずんずん進むチカラ強さ。男を演じた中田麦平は決して若い役者ではないはずなのですが、まだバンドという夢を追いかけている、真っ直ぐな男を好演。

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