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2014.11.27

【芝居】「別れても好きな人 2014」競泳水着

2014.11.16 19:00 [CoRich]

2004年初演(未見)、2007年再演 作品の三演。 16日まで、こまばアゴラ劇場。そのあと大阪。

妻が置き手紙をして出て行った男のところに、婚約を考え直したいとって妹が転がり込んでくる。

10年を隔てた過去・現在・未来を描く物語は10年を経てシフトし、ついに未来の舞台では宇宙へ旅客機が飛ぶ時代になったりはしているけれど、もっと時代の変化を如実に表しているのは、電話の変遷でしょう。固定電話・公衆電話・ガラケーが混在している2004年、みながスマホを持つ2014年、耳に指を当てるだけで通話が実現している2024年。とりわけ2004年は細やかに描写されていて、一人暮らしで固定電話を持つのは離れた恋人のため。もっとも恋人に公衆電話で、というのは初演時の設定に近いような気はしますが、私の世代にはちょっと懐かしい感じではあります。

緻密なサスペンス路線と恋愛モノ路線の二つのバリエーションが併存していた時期で、それが大きく今の恋愛モノ中心に移ったきっかけかなと思うのですが、なるほど、多くの人物が隙なくリンクしまくっていて、そういう緻密さはサスペンス路線の名残を見せているなぁ、と振り返って思うのです。

10年前にはおそらくなかったのは、父親に親しい女性という役だと思うのですが、作家自身が重ねた年齢の先に若い女性からの尊敬が意識されるようになっているのか、あるいは父親というものの存在を強く感じるようになっているのか、なんてことを考えるのも、観続けていることの役得かもしれません。

大事なモノを冷蔵庫に入れておく、というワンポイントも初演そのままだけれど素敵。恋人に電話するための10円玉を貯金箱に入れ冷蔵庫にしまっておくことで女を大事にすることがきちんと見えてくるの素敵なのです。

夫を演じた村上誠基、女性に翻弄される感じは残しつつも、積極的にコミカルに振る舞うことなく、繊細なキャラクタをフラットに造型して新しい魅力。男性アナウンサーを演じた武子太郎も、父を亡くすという役柄に滲むある種の格好良さが魅力的。女優はいずれも魅力的でしかも美しいのですが、逆に全部が美人すぎてラインナップとして平板になっちゃうのは痛し痒し。どこか親しみやすい後輩ナースを演じた篠原彩が可愛らしい。いとこを演じた福永朱梨はイノセントな魅力。元教え子・ニュースキャスターになるユキを演じた亀田梨紗の変化も楽しい。

2007 2014
ありさ 細野今日子 相楽樹
修司(ありさの夫) 須貝英 村上誠基
明子(修司の妹) 山口温 谷田部美咲
孝太郎(明子の婚約者) 松下仁 古川侑
水村先生 斉藤哲 松木大輔
ユキ(明子の親友) 松村綾乃 須田彩花
田中瞳(修司の大学時代の教え子) 森原千佳 亀田梨紗
木村(ニュースキャスター) 上野友之 武子太郎
吉川麻衣(ありさの後輩) 大川翔子 篠原彩
七海(修司と明子のいとこ) 川村紗也 福永朱梨
女性(木村の父と親しかった) 東京:すがやかずみ
大阪:大西千保

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