« 【芝居】「流れんな」iaku | トップページ | 【芝居】「あの部屋が燃えろ」MCR »

2014.11.07

【芝居】「柚木朋子の結婚」(11月)studio salt

2014.11.3 17:00 [CoRich]

10月版と同じ物語で、女優をすべて入れ替えたキャストで上演。土日祝のみの上演で16日までイシワタリ。夜公演では終演後、観客なら誰でも参加可能な懇親会というか呑み会が開催されています(飲み物はキャッシュオンデリバリーで)。

物語も台詞もそう大きく変わっているわけではありません。が、受ける印象はずいぶん異なります。10月版では頑張って妹を育てて生活してきたら無垢のままこの歳になってしまった、という姉の可愛らしさ、それゆえにこの男とほんとに結婚していいと思っていたけれど電話をきっかけに気持ちが変わりというコントラストで見せる印象でした。

対して11月版では、結婚をするという男との関係がずいぶん異なって見えます。どこか上から目線というか、最初から対等な結婚相手としては見ていなくて、噛んでは含めるように対話している関係。どうしてこういう関係に至ったのか、という背景が見えづらくなったのは惜しい。姉が何を考えて行動しているのかも見えづらいと感じて見ていたけれど、なるほど、彼女自身も何かのきっかけで知り合い、何かのきっかけで結婚することになったけれど、自分の気持ちをずっと整理できないまま、でも弟や妹たちのようになれないまま母親もこうなってしまって介護を背負うことになった自分を家族たちに対して対決姿勢で臨むために、この男を虚勢を張ってまもっていた、という造型だと感じましたがどうだろう。

姉を演じた佐々木なふみは、10月の設定に対して4歳下げた43歳の設定だけれど、現実の彼女自身はまだ子供を諦める年齢ではないはずだし、スタイルもよく、衣装も可愛らしくて、なにも彼でなくてもまだモテるだろう、と見えてしまうのが物語の設定に対して惜しいといえば惜しいけれど、ふわふわと可愛らしい場面、あるいは大人な場面のコントラストが素敵。キャストが若返ったという意味では母親を演じた内藤通子もずいぶん印象が異なりますが、娘との縁側のシーンとそれ以外の場面での表情のコントラストは見事。妹を演じた恩田和恵は天井をみつめるシーンでの針のむしろから解放される実家という場所、という描写が強い印象を残します。

|

« 【芝居】「流れんな」iaku | トップページ | 【芝居】「あの部屋が燃えろ」MCR »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「柚木朋子の結婚」(11月)studio salt:

« 【芝居】「流れんな」iaku | トップページ | 【芝居】「あの部屋が燃えろ」MCR »