【芝居】「ジェラシーいろいろ」(B)桃唄309+N.S.F.
2014.9.27 20:00 [CoRich]
短編二つを組み合わせたカフェ公演。28日までRAFT。70分。
密かに姫と結婚した男は身分の違いから待ちを追放され遠くに住んでいる。男の腹心が姫の近くにいるが、姫に恋心を抱く王子からの求婚とそれを後押しする王妃の要求は日に日にエスカレートする。「シンベリン」(N.S.F 戯曲 シェイクスピア 演出 伊藤馨 戯曲構成 村野玲子)
夏の夜、林を抜けたところで女が倒れていた。助けたのは彫刻家の男。弟の住む家の離れで暮らしている。男は美しい女に恋をして、離れに出入りするようになる。弟は兄のことが気がかりでしょうがない。「ヘビーサマー」(桃唄309 作・演出 長谷基弘)
「シンベリン」は原作からはずいぶんと削ったようで、たった5人の登場人物に絞っています。コミカルさを強く押し出して、サンバ風の曲も入れて祝祭感あふれ、賑やかな雰囲気に。 嫉妬する心は遠く離れた男が持つものか、あるいは目の前の女に振り向いて貰えない王子が感じるものか。嫉妬心を中心に物語をまとめ、枝葉を大胆に切り落とすという編集というか演出が巧い。 コンパクトに演じることができて、しかもこういう祝祭感がある芝居は地方の小さな店舗にワゴンひとつで上演に向かうようなことができて、まさにこのカフェ公演が目指すポータビリティのある芝居のレパートリーなのです。
正直にいえば、サンバ風の歌は、スピーカーからの音楽に対して少々声量という点で負けてる感があって勿体ない。これはマイクでいいんじゃないか、と思います。
「ヘビー〜」は今回の桃唄のシリーズの中では最もフラットに静かに演じられる一本。こういう公演形態で、しかもアルコールも入ってるとなると、丁寧にしかし静かに演じられる芝居はちょっと不利な感じは否めません。それでもこの静かな中できちんとジェラシーを描く大人の物語。
人でないものに魅入られてしまう兄を気遣う弟がしっかりとジェラシーを感じるというのが面白い。僕の家の離れに住んでいる芸術家だけど金は持ってない兄を取っていってしまう何者か。他のパートもそうだけれど、フォークロアには圧倒的に強い作家なのは折り紙付き。ここまでいろんな形で観られると嬉しくなってしまうのです。
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