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2014.09.06

【芝居】「戦国西遊記」サムライナッツ

2014.8.30 18:00 [CoRich]

長野県駒ヶ根市の劇団。アタシは初見です。31日まで 駒ヶ根市文化会館。休憩15分を挟み190分。2ステージとはいえ、1000人のホールが8割強埋まる初日でした。

暗黒の獣の虜となった信長軍の焼き討ちにあった高遠城から逃げ延びた松姫は亡き父・信玄の亡霊と出会う。暗黒の獣を討つ父の願いをかなえるため、猿・猪ら従者と出会いながら西へ、本能寺で対峙する。 旗揚げから三年目、年二回の公演のうち、大劇場で行う夏公演はいままで、劇団新感線の「五右衛門ロック」などを上演してきたそうで夏公演としては初めてのオリジナル脚本となる今作も、基本的にはその路線を踏襲しています。高遠城など地元信州の物語と、西遊記のアクション活劇を組み合わせ、長尺の物語を「いのうえ歌舞伎風」に語りきります。大ステージにミューカル風のワイヤレスマイク、派手なライティングもあるおかげできっちりとしたエンタメ活劇は見応えがあるのです。 劇団員もそれなりの人数で、公演がそうおおいわけでもありませんから、どうしても役者に役を与えるために作られた、という役がある雰囲気なのは否めませんし、それゆえに上演時間が長くなっていることも事実だと思います。役者の演技の技量も決して揃っているとはいえません。 が、決して演劇が盛んというわけではない地方都市で劇団という形を維持するために必要なことではあるし、そういう役だとしても物語の中核を担わないだけで、役のキャラクタを丁寧に作っているという印象はあって、決して印象は悪くありません。

物語に大きくかかわるわけではないけれど、行脚で出会う人々だったり、ダンサーとしてだったり、派手なアクションの殺陣だったり、あるいはあきらかに子供だったりと物語にそれぞれきちんとせめてミニマムな物語を与えているのは暖かい感じがします。

物語はといえば、まあ、たしかにいのうえ歌舞伎風味。今の新感線は役者の力が圧巻ですが、今作はそういう意味では物語の地肌が出ている感じ。エンタメだけれど登場人物が多く、結果的にメリハリが少なくなっている感じは否めません。西遊記も高遠城も、あるいは明智光秀や織田家など、さまざまな要素を盛り込んでいて、それでもそんなに物語が混乱しないのはたいしたものです。

松姫を演じた真望は美しく凛として。猿(孫悟空な)を演じた中村遼はコミカルも殺陣もしっかり、しかもちゃんと格好良い。濃姫を演じた鈴木里美はほぼ悪魔という無茶な設定だけれどそれをきっちりと背負い、迫力もあって印象的で確かに看板の見栄。武田信玄を演じた村上忍は、禿げた頭で笑いをとりつつ、しっかりと優しい亡父の姿を。

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