【芝居】「蕎麦屋の兄妹」あひるなんちゃら(女)
2014.9.6 15:00 [CoRich]
15日まで三鷹市芸術文化センター星のホール。70分。兄妹以外のキャストを変えた「男友達版」と交互上演。ネットでの感想を条件にしたニコニコキャンペーンは上品に小さく「あひる」マークが入った竹箸でした。例によってその回を撮って出しMP3音声販売(500円)を買って帰り道で聴いてしまうアタシです。
兄妹が実家を出て住んでいる。蕎麦屋を継がなかった二人だが、実家で修行している女が毎日蕎麦を持ってきているが、兄は味が分からないし、妹はもう完全に飽きている。そもそも持ってくる理由だって当の本人すらわからなくなってる。
兄がつとめている会社の昼休みのバレーボールで負けた罰ゲームとして、同僚たちを家につれてきて蕎麦を振る舞おうと考える。
妹は友達と徳川埋蔵金を探しているが、手がかりは希薄。そういえばリーダーを決めてなかったので妹は家に招いて蕎麦でも食べながら決めようと提案する。
家にあつまる人々。あまりに広いリビングにはしゃいだりもするが、なんか会社の人は怖いし、埋蔵金はほんとうにあるのかだってわからない。
就業規則には切腹禁止とか書いてない。百万とか子供かよ。お金ほしいひとになってるよ、ほしくない人なんかいないからね。徳川家康の誕生日、(スマホで検索して見せて)違うというのも楽しい。あるいは、 蕎麦なんか永久に食べられるよ。から、中学生の頃の体育教師にとんでもないバカがいたよね。懸垂なら永久にできる。とか更に、 会社のバレーボールも、徳川埋蔵金も昭和の風景でしょ。だったり、縄文時代のお金、 というボケ。 フラットな印象の女版、とくに突っ込みな二人は静かに、フラットに。他も静かに狂い、ボケる。 ダイナミックさが加わる男版。思いっきり叩くとか。 妹との関係に置いてお姫さまひとりの恋愛要素や、ホモソーシャル感をきれいに削ぎ落としているのもちょっとふしぎな空気感。 星のホールは、座席の傾斜が緩く、そのわりに舞台も客席もものすごくタッパがあるので、演劇で使う場合は、客席を特設してわざと狭く使うなどしないと、スカスカになりがちです。
彼らは、そのスカスカを逆手にとって、 あり得ないぐらい広いリビングルームとか、会社の屋上といった空間を設定。さらに、 舞台装置すらなく、フラットめな客席でも、芝居がスカスカにならない空間を作り出しています。この作戦がうまく行く例はあんまりなくて、新鮮なのだけれど、彼らの芝居が、この空間に対してスカスカにならない本当の理由はいくら考えても判らなくて不思議なのです。
兄妹と、出入りしている蕎麦修行中の人、兄の会社の同僚三人、妹の会社の同僚三人という構成になっています。それぞれのグループにボケる人二人と、ツッコむ人、となっていて、それぞれのグループの小さな会話も全員が集まるような会話も自在に構成できるのが巧い。
両方のバージョンに出演していて妹を演じた篠本美帆、ややワガママなキャラクタが良く合うのです。ややぽっちゃりなので、出捌けを歩く姿がホントに可愛らしくて、後ろの席の女性が思わず可愛い、と呟いてたりします。
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