【芝居】「顎を引け」肯定座
2014.7.26 19:30 [CoRich]
27日まで、スタジオ空洞。75分。
母校である高校レスリング部が廃部と聞いて部室リングに集まるOBたち。父親と反発する息子、かつて遺恨のあった同級生、犯罪者となった男、期待されていたのに思うような挫折した男。
いい歳にもなったおじさんたち。息子だったり挫折だったり、かつての対立だったりがありつつも、歳をとればいろいろあるよねな感じで、それをわりと本気にレスリングしていくという味付け。体が疲れていくことのドラマチック、というのを演劇で使うのは手法として今一つ信用してないアタシですが、おじさんたちが、という肉体の衰えも込みでつくられているのはいい味わいです。 正直に言えば物語は起伏に乏しく、少々優しすぎる気がしないでもありませんが、それもまた、作家の持ち味。
レスリングの本気度合いもその難しさも今一つ実感のわかないアタシですが、首を押しつけるようなシーンはちょっとその曲がり方が見ていて怖い感じがします。登場人物の名前がさまざまなレスラーたちのもの、というのは当然アタシはわからず、友人に教えて貰いました。
安東桂吾は少々出落ち感あれど、なんかひょろ長い印象なのがいいコントラスト。父親を演じたちうりがほんとにいいオジサン感がいっぱいで、それなのにレスリングというのがいい。他が二人の対立軸になっているのに、唯一違う独立した立ち位置の男を演じた松本哲也は、そういう意味ではレフリーであり、一種のファシリテータでもあって、きっちりMCの立場なのです。
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