【イベント】「へべれけの会 vol.1」
2014.8.12 21:00
下北沢でソワレを一本を見た後に小雨降る中ガシガシ歩いて十数分、定休日のバーを使った企画公演。 一日限り。カウンターに入りきるぐらいの人数でした。 漫画(など)を持ち寄って、2人の女優に読んで貰うというリーディング企画。
ドリンク一杯500円、読んで貰う前には彼女たちに日本酒を1杯(小さめのお猪口、底に孔が開いてる)、自分にも同じ酒で1杯を分かち合う(つまり1000円)というレギュレーション。良く考えれば相当に高く付く飲み方だけれど、お座敷で芸に対して払うという感じにもちょっと似ているし、ちょっと前にあった、バーカウンターで役者たちと向かい合うPrisum( 1, 2) にも似てるけれど、訓練された役者たち作り込んでいたPrisumに対して、これはもしかしたら初見のテキストをどう表現するか、というトレーニングのよう。物語が(出版されてるぐらいなので)そこそこの強度を持っている前提なので、そういう意味では安心感があります。
手塚治虫、ヱヴァンゲリヲン、タッチ、あるいは連載中の週刊誌の漫画(チクホー男子登校編/モーニング)、落語由来の漫画など、あるいは(漫画というルールの筈なのに)客が持ってきちゃった短めのテキスト(きみまろ、ジェーン・スーなど)まで。その場で下読みしつつ、短い時間でなんとか1人で朗読という趣向で、どう1人で表現するかという勝負になっています。背景の判らない物語の一話だけを取り出して読んでも未見には厳しいわけで、持ってきた観客に背景を説明させるというのも巧い。下北沢駅前や井の頭公園で漫画を読み聞かせる彼とも似てるけれど、あっちは元々彼が持っているライブラリから選んでいて、こちらは初見かもしれないという意味で役者の負荷は相当高いし、それでもなんとかやりこなしてしまうという、確かな力を感じるのです。
観客が何を持ってくるかわからない、というのは一か八かの勝負という側面はあります。持ってきた本人は感動していても、それは未見の他の客には判りづらいし、短めのものなら次々できるけれど、長いのを拘って読んでくれという無茶振りが来ないとも限りません。 かといって、下北沢駅前や井の頭公園で漫画を読み聞かせするヒゲの彼のように持ちネタから選んで貰う、というのは完成度の点は有利だけれどライブ感という点で物足りないわけで。 客を選ぶ、あるいは客を御するということがわりと重要な気がします。
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