【芝居】「PRESENT」フライングステージ
2014.7.19 14:00
[CoRich]
新作中心のフライングステージ、2003年初演作(未見)を11年ぶりに再演。115分。劇団サイトに無料で公開されている初演の上演台本の
心意気。21日までOFF OFFシアター。
二人で暮らしている男。一人は派遣社員だったがいまはフリーターになっている。もう一人は公務員でわりと忙しい。久しぶりの夜だったがうまくいかなかった。
フリーターの男は恋人にこのまえ一緒に受けたHIV検査の結果を伝えられなかったが、母親に自分がゲイだということをカミングアウトしたとき、母親が入院すると伝えてきたときと同じように、さらっと相手に伝えることにする。
恋人との距離は遠くなってしまった。友人のボランティア、病院で会った若い男、昔の恋人の男たちの気持ちが支える。
恋人も戻ってくる。
が、まだ母親にはHIVポジティブということを伝えられていない。
最近の彼らの紡ぐ物語に比べると、ずっとシンプルにゲイであることそのもの、カミングアウトするということ、あるいはHIVやAIDSといったゲイにまつわる悩みを紡いだ物語になっています。そういう意味ではひねりはなくて、ストレートにゲイであるつづける、ということを描きます。
初演の時点で、AIDSに対して死ぬということを描くのではなく、どう生きるかを描く「誰も死なない」HIVの物語としたのだといいます。物語の最後、二人が来年も再来年も10年後もきっと正月のキレイな空を見られるだろうと話し合ったけれど、初演から10年、2004年時点から10年も経ったのに、ゆっくりと進歩はしているものの、AIDSもHIVも有効な解決策を見つけられずに居るわたしたち。あのころよりはずっと
社会的な認知度は上がってきているし、寛容な見方をする人も増えて居るはずで、そういう意味では
「生きやすく」はなったのかもしれません。
人に囲まれて生きている、ということ。主役の男の台詞、
「僕のこと心配してくれるのはありがたい、でも、僕ばっかり大事にされて、僕のまわりのみんなが悲しい目に会ってるのは、なんだか納得がいかない。」という台詞がとても効いています。
そんな立場にワタシはなれるだろうか、と考えるのです。
あるいは、ひとりで住んでいることが心配だ、というシーン、別にゲイに限ったことではないけれど、ひとりで居ることの寂しさも、命の危険があるということも身につまされてしまうアタシです。
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