【芝居】「ノット・アナザー・ティーンムービー」ナカゴー
2014.6.28 15:00 [CoRich]
北とぴあ カナリアホールで29日まで。80分。
久々に戻ってきたジェイクは山わさびの会社の息子で、母親と養子で妹になったキャシーと(なるほどキャリー)学園に戻ってきた。ジェイクが離れてから学校は荒れている。キャシーは同級生からいじめられるが、不思議な力が発動して、同級生たちは倒れる。 同級生の一人が、同じ同級生に食べられる、という事件が勃発する。かつてこの土地には、食人族と、心優しいぽよぽよ族とが居て、ぽよぽよ族の復活を願う狂信的な生き残りの反撃が始まろうとしている。
B級ハリウッド風にベタな造型の登場人物、ハイスクールを舞台にしてるというのもそれっぽい。登場人物キャシーを何度も「キャリー」と言い間違いさせて、映画「キャリー」の雰囲気、内気で虐められがちな女生徒が不思議な力を、というのを盛り込んで。かと思えば、ぬいぐるみのように作った男根であれやこれやのお色気というよりはやけに下品な見せ方をはさみつつ。
多くの役者を出しつつ、それこそやりたい放題にあれこれ大風呂敷を広げてもきっちり回収するのは見事。もっとも物語というよりは、役者のテンションだったり、数々の小道具(性器だったり、胴が真っ二つにされることだったりがいろんな意味で凄い)の馬鹿馬鹿しさだったりというもので80分疾走し続けるのです。
確かに大笑いするし、飽きることなく観続けられるのだけれど、どうしてもアタシの中では観たい劇団の優先順位としては低めになってしまう感じは正直否めません。が、たとえばCoRichの評価は結構高かったりもして、あれれ、アタシずれたか、と思ったり思わなかったり。
天井の低いシャンデリア付きの広間、という雰囲気の場所、中央に舞台をしつらえ、対面の客席。あきらかに演劇用ではないスペースだけれど、客席の片方のブロックの後方両側に出捌けを設定してスピーディーでめまぐるしいく役者を入れ替えて、テンポがいいのはさすがです。もっとも対面の客席のうち、出捌けを背にした側があからさまに正面というシーンが少なくなくて、その割には開場時点では奥が見やすいという案内をしたりするのは、今ひとつではあります。終盤に至り、それはまあどうでもよくなるわけですが。
篠原正明は、ハリウッドティーンムービーの典型的な主役像をかっちりと。これは本当に完成度が高くて、崩れないのがたいしたもの。小笠原結が演じる母親が陵辱されたりもするけれど、それとは関係なくやけに色っぽい大人な感じが魅力。佐々木幸子が演じたビッチな同級生の造型がほんとうにすさまじくて、迫力が目一杯。作演を兼ねる鎌田順也は、序盤ちょっとだけのカメオ的な出演だけれど、幼い喋りにちょっと怖い事いいそうな雰囲気もたしかにハリウッドっぽい。
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