【芝居】「三人吉三」松竹・まつもと市民芸術館
2014.7.20 17:00 [CoRich]
25日までまつもと市民芸術館 主ホール。先行発売の時はまだ市民枠でとれたのに、すっかり失念していて追加発売で入手した4等で。三幕、休憩込みで200分。初日の昼頃までは、渋谷と同様の町中の「お練り」や松本城中庭での挨拶、というイベントも設定されていましたが、あたしはお練りには間に合わず。残念無念。
有名な演目(wikipedia)ですがアタシは初見。庶民たちの暮らしを挟みつつ、池や路地を作りだし庶民たちが暮らす町のようすをしっかりと描きつつ、あからさまに年増な夜鷹たちなどのコミカルさだったり、桟敷席を歩き回ったりとさまざまに楽しさを優先するようで気楽に楽しめるように始まり、三人の盗賊・吉三たちが義兄弟の契りを結ぶ序幕は見やすく楽しいし、お嬢吉三が百両を奪う「こいつぁ春から」な「厄払い」の台詞のかっこよさ。
対して二幕めは、人間関係の複雑さを明らかにしていくためか、全体にフラットで、わりと薄暗いなかでモノクロームな印象。そもそも初見なので他の演出と比べるべくもないけれど、ほとんど天井桟敷かという距離感の4等ではあまりに薄暗く、人を見分けるのも苦労する感じなので、筋を追うのも少々大変に。
かわって終幕は、雪一色の中、雪の中の火の見櫓のあたりからは、スピーディな「チャンバラ」の格好良さ、リズムも実によくてそれが長い間続く凄さは、遠く4等席からでも美しいのです。
3Fの4等席が遠いのは仕方ないけれど、前列が身を乗り出すと見えなくなっちゃう、というのはもうすこしアナウンスや、3Fエリア立て札をおくなど撮影禁止などと同様に周知されてもいい気がします。 ケイタイも鳴るし、バイブレータを切らない客もそこそこ居たりするのは、こういう誰でも観る舞台だから仕方ないとはいえ。電波の妨害装置を入れる劇場も増えてきましたが、それに頼らずに客が自らどうあるべきかを(おそらくは普段芝居を観ない人々が大勢訪れるからこそ)ある意味、教育していく、というのは税金を入れた拠点劇場だからこその役割だと思うのです。
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