【芝居】「へんてこレストラン」柿喰う客
2014.6.28 17:00 [CoRich]
柿喰う客の子供向けプロジェクトの第二弾は「注文の多い料理店」を4人の役者で演じる45分。29日まで北とぴあスカイホール。 低めに作った舞台。開場時間中は窓から景色が見えて楽しい感じ。舞台中央にはモノリスのような物体が。
4人構成でミニマルに。3人は二人の猟師と、犬&語り部的な役割に。リズムをふんだんにして、舞台奥からずんずんとせり出してくるリズムを繰り返します。洋館に入り、それぞれの扉をあけると何かの指令がある、ということを延々繰り返させます。そのうち、飽き飽きとしてその状況に対して文句を言う、というぼやき漫才のようなセリフを散りばめてコミカルな感じを挟みます。もう一人はメイド姿の女で、これはこの料理店の 店主を演じます。
音楽も音響もなし、天井は低く照明は幾つかスタンドで立てて設営。ミニマルにそぎ落として、 ほぼ役者の足踏みならす音だけで構成しています。 昨今の柿喰う客は、薄っぺらなセリフを数多く重ねていって厚みをつくる、という今までのやりかたから そぎ落とした表現を中心に据えるようになってきていて、これは今作でも変わりません。 いわゆる子供向けにもりだくさん、というよりはごくシンプルに仕上げています。
あらかさまにお色気メイドに造型した深谷由梨香にはもちろん目を奪われてしまうのはオヤジゆえにご容赦。猟犬と語り部を兼ねる葉丸あすかはくるくると変わる表情が可愛らしい。 前説から物語に導入する役割も担う永島敬三は、優しいお兄ちゃん、という造型もいいし、 中盤の汗だくもなんか可愛らしい。 相棒の猟師を演じた大村わたるはひげ面だけれど、これがまたいい表情。
こういう繰り返しが子供に対して効果的なのかどうかは、私の観た回の子供たちの反応ではいまいち判らず。終演後の恒例、の作演トークでは、場所によって子供たちの鋭い突っ込みがあったりするという ことも語られていました。もちろん彼らのこと、子供たちの反応に対してフィードバックは確実だと 思いますし、そういうことの楽しさを感じて欲しいなと思います。 一般3000円で、親子ペア3500円、二人目以降の子供は一人あたり500円という設定は、まあざっくりいえば 大人3000円で子供を500と考えていいと思うのですが、正直に云えば、子育て中の親子に対して、 この設定の金額を評価の定まらない45分のパフォーマンスに対して出せるか、というのは地域差はあるとは思うけれど、 かなり微妙な領域ではある気がします。もちろん行政の補助金というやりかたもあるけれど、それは 税金ですからそれをツッコむのが正しいのか、ということに対しては、わりと懐疑的なアタシですが 。
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