【芝居】「ビー・ヒア・ナウ Be Here Now」文化庁・日本劇団協議会(虚構の旅団)
2014.7.13 14:00 [CoRich]
文化庁の委託事業、「時代の文化を創造する新進芸術家育成事業」とクレジットされています。虚構の劇団で、演出を鴻上尚史以外で行う「虚構の旅団」名義も使われています。第三舞台での上演から24年で、初めての再演のようですが、アタシは初見です。 21日までシアターグリーン、BIG TREE。120分。
おまえを誘拐したという手紙が二通届くが、自分はここに居る。 友人の作家志望に相談するが、警察にも相手にはされない。 (モチベーター)研修の最後のセッション、上からの指示で売られるように云われていた高額なサプリメントにその効果が無いことを喋ってしまい、会社を辞めたが客はその効果を求めていた その時に参加者が喋った言葉を記したノートを求めて、 デスラー総統というパラレルワールドの住人で年号を弥勒としようとしている男たち、イザベル(ドロンジョ)という宇宙意思と会話できるというチャネラー、ビジネスで成功を収めた男、がそのノートを求めて現れる。
どこかSFめいた設定、作家の世代ということもありますが、パラレルワールドとか、あるいは半笑い的な扱い方だけれどチャネラーとかを様々に盛りだくさんに。物語の着地点周辺に至って、内面というか気持ちを描くというのがちょっといい。
朝日、の凄さは判っているつもりだけれど第三舞台の公演に対してリテラシーが高い訳ではありません。鴻上尚史という作家の昨今は時代を取り入れつつ、自分の世界を再生産する、ステージにあるように思います。 彼が描くのはおそらく若い頃に感じたさまざな想いの断片を詩的だったり象徴的だったり、手を変え品を変え描いているように思うのです。 それは何か壁があるという話だったり(天使は瞳を閉じて)、駅のホームで別れがたい恋人を見送った自分と見送らなかったかもしれないパラレルワールドを夢想することだったりだと思うのです。 演出なのか役者の布陣なのか、第三舞台での上演を観てないので元々がどうだったかもわかりませんが、正直にいえば、なんか全体に薄味というか物足りない感じが残ります。プロジェクションマッピングっぽいのは昨今の東京の芝居ではやや陳腐になりそうな感じだし、迫ってくる壁、も必ずしも効果的ではない感じ。小劇場でやってるってのが凄いということではあるんですが。
第三舞台では筒井真理子が演じたドロンジョ・イザベルを演じた七味まゆ味は他では見られないぐらいにフリフリの衣装をパワフルに。ちょっと空気読めない感じのキャラクタが当てられることの多い筒井真理子のこの役はさぞや似合っていたろうと思うのです。 お供のボヤッキーを演じた小沢道成も軽快でいい造型。 秘書を演じた木村美月(クロムモリブデンの彼女とは別人)のやや野暮ったい感じがやけにそそられてしまうアタシです(笑)
1990.8 第三舞台 シアターコクーン |
2014.7 虚構の旅団 シアターグリーン BIG TREE THEATER |
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北川俊太郎 | 小須田康人 | 杉浦一輝 |
友部正和 | 大高洋夫 | 津村知与支 |
女刑事2・茜雲翼 | 山下裕子 | 森田ひかり |
デスラー総統 | 筧利夫 | 渡辺芳博 |
その部下・ぴゅう | 京晋佑 | 塚本翔大 |
イザベル・ドロンジョ女王 | 筒井真理子 | 七味まゆ味 |
お供のボヤッキー | 伊藤正宏 | 小沢道成 |
柄谷哲 | 勝村政信 | 三上陽永 |
その秘書・ワンダ | 利根川祐子 | 木村美月 |
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