【芝居】「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」高校生と作るリーディング
2014.6.15 10:00 [公演情報]
2011年初演の趣向の公演、通称「Q体」を女子高校生たちのリーディングとして上演という企画。 90分。城崎国際アートセンター。
東京女子大の旧体育館の取り壊しをめぐる女子大生たちの物語、大学入学という解放された感じから就職や社会運動的に至る成長を描く物語だけれど、演じる彼女たちにとっては実は未来の話という外側の構図込みで面白い。 あからさまに「女子大生」な奔放さを、もっと若い彼女たちが白い衣装といういでたちでややイノセントな雰囲気をまとって演じるとちょっとギャップがあって、妙にドキドキしてしまう、というのはアタシがオジサンだからですかそうですか。
趣向の神奈川公演ではもの凄く広い舞台だったのに比べると、客席もごくごく小さな空間にぎゅっと集まった中でのミニマムな作り。むしろこの狭さが、場面を切り取るような印象になっていて、これはこれでうまく機能していると思います。外を走る列車の音が聞こえたりもしつつ窓を特に暗幕でふさぐようなことをせず、日の光が差し込む午前中の上演も意外なほど気にならず、むしろ爽やかな語り口に感じられます。
舞台をH字型に組み、中央の舞台を挟むように客席を対面で設定(参考)。ほとんどは壁際の椅子ですわったり立ったりという場所だけれど、いくつかの場面だけは中央の舞台で、という感じ。リーディングとはいいながら、役者も対面に座っており、位置は動かなくても視線の交差がある、というのは通常視線が行き来しないリーディングとはひと味違う印象になります。
現場での演出はごく短期間で行われたようですが、それまでの稽古の賜物か、あるいは高校生の瞬発力か、きっちりと濃密な空間に。もともとのQ体という題材に興味が持てるか、あるいは若い女性たちそれぞれの成長を群像として描いたもの、というのを楽しく観られるかによってずいぶん評価が変わりそうなところですが、アタシにとってはわりとど真ん中、楽しくみられる一本なのです。
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