【芝居】「コウノトリの温泉めぐり」世田谷シルク
2014.6.13 20:00 [CoRich] [YouTube]
劇作家大会の企画で、玄武洞公園の青龍洞での企画公演のひとつ。45分。13日のみ1ステージ。
行方のわからなくなった老いた父親を捜しに若い夫婦が訪れる。姿を現したのはコウノトリたちで、 父親の行方を教えるかわりに、近くの温泉の名前の由来を教えてほしいとせがむ。
父親は幼い頃、幼なじみの少女と山の上で待ち合わせる約束をしていたのに、そこにいかなかった。それを思い出したのだ、きっと。
日の入りからの時間の変化を借景にした「マジックアワー」のあとは、とっぷりと日もくれてからの開演となる一本。それまではずっとついていた照明を完全に消すことで訪れる静かな闇。岩場を巧くつかって、奥行きと出捌けをうまく構成。リズムやダンスをふんだんにとりいれながらも、世田谷シルクらしく、セリフのある芝居として見せてくれるのが魅力なのです。
闇に囲まれると、人間は小さいな、とか、怖いなということを感じるんだ、ということを再認識。夫婦は二人連れだけれど、やっぱり怖くて、ならばコウノトリと会話できれば怖くないんじゃないか、という物語の枠組みだと読みました。
コウノトリとの会話は、 城崎温泉の七つの外湯(一の湯、御所の湯、まんだら湯、さとの湯、柳湯、地蔵湯、鴻の湯)と、自分たちの父親について ですが、 温泉についてのそれぞれは、わりとくだらないものから、ああ、物語があるんだな、と感じるものまでさまざま。アタシは柳湯と地蔵湯と、あとはさとの湯の足湯だけしか経験出来なかったけれど、 風情のある川沿いに柳、という場所。 作家は、この場所の物語、ということをしっかり作ろうとしていて、なるほど早送りの観光案内みたいな感じで楽しくて。このやり方なら、昼間に温泉界隈を役者たちが練り歩いてそれぞれの外湯の前で5分ぐらいの小芝居を打つ、というやり方も出来そうです。
今作は池の向こう側の岩場を舞台にしてるので、正直に云えばちょっと遠いのですが、遠景にみえるさまざまな人々というのは夜にむけて気持ちが落ち着くように感じました。見慣れた役者はいくつかのシーンでしっかりと確認出来ます。 前園あかり は可愛らしく、ちょっとコミカルという印象(あれ、他の芝居と混じっちゃったかもしれない) 小林真梨恵は、立ち姿の美しさが印象的です。
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