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2014.06.24

【芝居】「恋のマジック・アワー〜僕のママは食人鬼〜」《谷賢一×山崎彬》企画

2014.6.13 19:30 [公演情報] [YouTube]

玄武洞公園にある青龍洞という大きな玄武岩の岩壁とその前にある池を舞台に設定した企画公演。劇作家大会 2014豊岡大会の目玉企画の一つでもあります。13日の一回限り。45分。

大きな洞窟に少女が訪れる。野球を志していた兄の行方がわからず、ここにいると探しにきたのだ。この洞窟には鬼がすんでいて、洞窟で命を落とした人間を食らって生きている。鬼の子供はその少女に恋をしてしまうが、自分の正体を打ち明けることができない。

前の日は豪雨だったそうで、ゲネすらできなかったようですが、当日は小雨がぱらつきながらもなんとか上演。上演前に演出自らが着物姿で現れ、ちょっとおどけた感じで注意事項を伝えながら、虫除けスプレーをサービス。客席を和らげますし、何より特別なイベント感が盛り上がります。一杯ひっかけたいところではありますが、まあそこまでは無理か。(予定を詰め込みすぎて、用意する時間が無かったのが残念)

美しい岩肌と池ばかりでなく、日没後空の色がどんどん変わっていく「マジックアワー」を借景にしながら、淡く幼い恋心を核に描きます。 とはいえ、あからさまにアングラというかピエロっぽいメイクに 、大声で叫び、池にジャバジャバと入り、 焼き肉まで焼いてその匂いがほんのりしたり、 池川貴清のフォーク調の歌をたくさん交えてバカ芝居っぽく気楽な感じで、子供も大喜び、という感じでもあって、イベント演劇としてまったく正しいのです。

野球の挫折から男色のコーチについていって行方がわからなくなった 兄の行方を捜す少女、少女に恋する食人鬼、そのコンプレックスからそれを少女に伝えられないこと。 一つ一つが大仰なバカ芝居っぽい演じ方だけれど、兄を思う妹、兄の野球にかける思いの男色の コーチへの思いへの変節、あるいは少女にコンプレックスから告白できない感じだったり、 思春期の息子を想う父母だったりと、細やかな心を派手で大仰な芝居に載せて、というのも楽しく。 わりと最近ではストレートで重厚な芝居が増えてきた谷賢一ですが、時々みせる、いたずら心いっぱい のバカ芝居(1)もアタシはとても好きだったりするのです。 少女を演じた橋爪未萠里はきっちりと少女で物語の中心にあり続け、ほぼ出突っ張りだけれどどっしりと、堂々と。ミュージシャンである池川貴清はどうしても歌に比べるとセリフがへたれた感じになるけれど、気の弱い少年というキャラクタにはあってる感じもします。この芝居で頭に登場するので ほぼ出落ちみたいな扱いを受ける父親を演じた大原研二は、それに負けずにきっちり。 母親を演じた若林えりは気立ての優しい、しかし可愛らしい母親を。谷賢一・山崎彬のなんというか そのものずばりなホモっぽいきゃっきゃきゃっきゃ馬鹿騒ぎする感じはどこか可愛らしささえ 出てしまうのもなんか微笑ましい。

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